私も一言申し上げたいんですけど、結局大人が変わらないんだから教育も変えられないというようなことを言われましたね。ただ、現実はですね、今言われたようなことは、大人全般的に、子供も全般的にという話で、実際に動いている人たちもかなりいるわけですね。動いている人たちによって、教育というか、実際地域社会を変えていこうという運動とか、いろんな試みはあると思うんですよ。
現実にはかなりいろんなところで動いていて、変わっているというか、我々の消費行動にしたって、皆さんは20歳くらいで、今から10年前はどうだったか考えて分からないかもしれませんが、我々みたいに少し長く生きているものから見ますと、10年前と今とを比べると、消費行動はずいぶん変わっているというか、昔では考えられなかったことだってあるわけですね。
だから、いい例かどうかわかりませんが、トヨタのプリウスにしても、プリウスが必ずしも本当にいいのかどうかというのは議論になるんですが、あれはトヨタのエコプロジェクトの中でひとつの目玉商品として、とにかくもうからなくてもいいから、目玉として出そうという感じで出したわけでしょ。多少高めというか、それでも実際の経費より安く設定して、さほど売れなくてもいいという想定があったみたいですけど、現実にはかなり売れたわけですよね。ですから、トヨタの想定していたよりも、実際の消費者の行動というのが先を行っていたというのがあると思うんですよ。
ですから、言ってみれば、マーケティングのあり方が違っていたのかもしれませんが、いろんな消費行動で今までとはかなり違った形は出てますし、いろんな地域でいろんな活動をしている人たちがいて、変わっているわけですね。今の環境教育自体が僕は、決していいとは思わなくて、学校教育というよりは、地域社会での人たちがやっていく活動が、もっと学校教育に結びつくような形でやっていかないと、今の学校教育における環境教育はどうもあんまり良くないとは思うんですが、ただ、それでも、かなり色んな形で動いている人たちもいます。
ですから、今の大人達がだめだから環境教育もだめだということで見るよりも、動いているところで地道なこととは思いますけども、ただ、結果的には今いったような、消費行動などではかなり変わってきた部分もあります。またこれ10年経てば大きく変わる可能性もあるので、多少僕はその辺をオプティミスティックに考えるようにはしているんですけど。
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