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鬼頭秀一


氏名 鬼頭 秀一(Shuichi Kito)
所属 東京農工大学 農学部(環境倫理学・科学技術社会論)
著書
  • 『自然保護を問いなおす−−環境倫理とネットワーク』[ちくま新書](筑摩書房)1999年
  • 『環境の豊かさをもとめて−−理念と運動』[講座 人間と環境 第12巻](昭和堂)1999年)(編著)
  • 『ローカルな思想を創る』『市場経済を組み換える』(農文協)1998,1999年(共著)

参考文献
  • 『新・環境学がわかる』[アエラムック](朝日新聞社)1999年
  • 桑子敏雄『環境の哲学』[講談社学術文庫](講談社)2000年

講義内容要旨

 環境問題の解決の方向として、環境持続性や永続可能性ということが言われるが、それはどういうことだろうか。地球レベルでの永続可能性を絶対的な価値としてそれを実現する社会というものを考えると、その究極の社会のイメージは永続可能性を旨として、すべてがそのために管理された全体主義な世界国家である。しかし、環境問題を解決した社会としてそのような社会を私たちは望むべきなのだろうか。環境問題を理解する軸として、自然の限界性だけでなく、人間の精神的な環境の問題や社会的関係の軸を想定することができる。また、最近とみに、環境的正義ということが言われるようになり、環境問題の解決には、永続可能な社会を構想するだけでなく、社会的正義の実現されることや、そこでの精神的な「豊かさ」が大きな課題になってきている。

それらの関係について考えながら、永続可能な社会を構想するためには何が必要かを考えてみたい。


持続的社会をどのように考えているか

 そのための基本的な概念の整理を講義の中でしてみたいと思っています。


受講生へ一言

 狭い枠組みから飛び出して欲しいと思います。


環境問題マッピング

 環境倫理思想における関係性の軸と要素

interrelations

elements
人間―自然関係
human-nature
人間―人間関係
inter-generationship
(歴史性)
個―全体関係
whole-individual
環境持続性
environmental
sustainability
(環境)
自然の生存権の問題
生命系中心主義
生態系中心主義
自然の権利
生命地域主義
生業論・技術論
風土論
所有論・流通論
世代間倫理の問題
生命地域主義
生業論・技術論
風土論
所有論・流通論
地球全体主義
救命艇の倫理
宇宙船地球号
共有地の悲劇
地方の自律
生命地域主義
共的所有論
社会的公正
social equility
(社会的諸関係)
保護区・サンクチュアリ
環境的正義
所有論・流通論
(非市場的)
世代間倫理
南北問題
エコフェミニズム
所有論・流通論
全体的主義による不平等
環境的正義
近代的所有の見直し
合意形成
存在の豊かさ
ontological
richness
(人間的主観性)
動物の解放/権利
生命圏平等主義
自己実現
(ディープ・エコロジー)
生命地域主義
風土論
遊び・仕事論
(生業論・技術論)
所有論・流通論
世代間倫理
生命地域主義
風土論
遊び・仕事論
(生業論・技術論)
所有論・流通論
全体主義による自由の制限
生命地域主義
自己実現
共的所有論
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