環境の世紀VIIは、東京大学前期課程で唯一、分野横断的に環境問題を扱う授業です。今年で7回目を迎え(ですから環境の世紀VIIなのです)、初めて「〜持続的社会の構築に向けて〜」という副題を設定しました。
また、テーマ講義とは、東京大学教養学部前期課程の講義の一種で、あるテーマのもと、毎週教官が変わるオムニバス形式で行われる講義です。東大以外の講師の方をお呼びすることもできます。
ところで、気候変動、土壌浸食、森林減少、生物多様性の喪失、人工物質による化学汚染・・・。日頃耳目にするいわゆる「環境問題」を挙げればきりがありません。表面的な現象の裏には南北問題・人口問題・エネルギー問題など、社会の不平等構造自体と密接な関連を持つ問題群が見え隠れしており、さらに考えを巡らすと、無限の自然という前提の下で高度な科学技術を駆使し、利便性のみを追求する現代の物質文明社会があるといえます。
しかし、こういった多面性と複雑性を持つ環境問題に対して、細分化されていて、ほとんど相互に交流・協力関係を持たない従来の学問では本質的な解決は望めそうにもありません。そこで本講義では分野横断的に環境問題を扱うことを目指してきました。ですが広範囲に及ぶ環境問題を扱おうとすると、講義どうしのつながりが不明確となり全体像はつかみにくいものです。そこで今年は「〜持続的社会の構築に向けて〜」というキーワードのもと、アプローチしていきます。
以下シラバス(時間割)から抜粋。
20世紀、人間社会は拡大を続け、地球温暖化・森林破壊・資源枯渇など地球環境の限界が顕在化している。
「どうすれば環境問題を根本的に解決することができるのか」「どうすれば自然保護と人間の活動を両立させることができるのか」。 その答えを探すには、あらゆる分野からのアプローチが必要である。
環境問題に対する解決策を模索すること。それは来る「環境の世紀」のヴィジョンを描くことに他ならない。
全12回の講義を貫くキーワードは「持続的社会」である。 講義を通して、受講生一人一人が持続的社会という新たな時代のヴィジョンを描いてほしい。