環境の世紀VII  [HOME] > [講義録] > 6/2 「インターミッション―中間総括」

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インターミッション−中間総括

6月2日 後藤則行


前半の講義を批判的にみると・・・

 今までの講義の内容を環境三四郎がまとめたもの(次ページ)とはまた別に、批判的に見てみることも必要で、「解決の全体性」とは一体何か?全体的に解決することは実際には難しい。インセンティブを持つことは必要だが、そもそもインセンティブがもてない場合はどうするのか。

 貧困問題や「豊かさ」については、先進国は物質的に豊かになったが、豊かさからくる心の貧しさの問題もあるのではないか。環境問題は社会を映す鏡でもある。みなさんは、知識を吸収して、というよりも、人間社会を冷静に見つめ、1人1人どう行動していくのかを考えなければいけません。

持続的社会の構築に向けて

 このテーマ講義の副題は「持続的社会の構築に向けて」である。持続的開発(Sustainable Development)という言葉は100人中99人が賛成するような、非常に受け入れられた概念だ(cf「自由」は全面的に誰もが賛成するとはいえない)。しかし、それは一体誰にとってのSustainabilityなのであろうか。どんな環境になっても地球自体がなくなることはないのだから、地球にとってはSustainabilityを考える必要はない。では、人間や動植物にとってのSustainabilityとはなんなのであろうか。たとえば、人間にとっては環境問題による死亡者が人口の何%以下ならばSustainableと言っていいのであろうか。

 このように考えると、持続的といっても、その定義を厳密にしようとすると難しく、さまざまな意見があるのである。

後藤則行
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