インセンティブ
2つ目のキーワードはインセンティブです。人間が行動するときの、動機やきっかけとなるものをインセンティブと言います。
石谷先生の講義の中では、エネルギー問題では、技術的にはいろいろな解決策が考えらても、経済的な側面でのインセンティブがないとその解決策は実行できない、といった形で出てきました。技術が使われるように経済的・政治的なインセンティブをいかに高めるかが必要です。ひとつの案として、技術や被害をコストというかたちにして経済的に評価することが必要だといわれていました。
武内先生の授業でも、直接インセンティブという言葉は出てこなかったものの、昔の人々が里山を管理していたのは、木材や下草を薪や炭、または肥料として使うというインセンティブが働いていたからだと言えると思います。それでは、薪や炭を使うことがなくなった現在、どのようにして、人々の里山管理に対するインセンティブを働かせればよいのでしょうか? まず、企業や政府には、バイオマスとして木材を利用するというインセンティブが、そして、市民には、世話をすることによって、花が咲いたり、日常生活から離れて、自然と触れ合うことができるというインセンティブが働きうるのではないでしょうか。
中西先生の講義の中では、インセンティブを付与することによって、問題の解決に向けての行動が保証されるようになるというものでした。
鬼頭先生の授業では、ローカルな社会において決定されたことは、自分達で決めたことなのだから、きちんと守ろうと思うようになり、いわば自発性によるインセンティブが働くことになるのです。
|