人間の働きかけにより変質した自然を二次的自然という。二次的自然は、繰り返される人間の管理によって維持される。ところが、近代化社会では、自然が破壊される一方で、自然の放置が進むという二極分化が進む。いずれの方向においても、適正な管理によって維持されていた二次的自然の生物多様性と人間社会にとっての価値が失われる。それを回避し、二次的自然の豊かさを取り戻すためには、何らかの方法で人間と自然のかかわりを再構築することが必要である。市民参加による里山管理は一つの回答である。しかし、そこには生物資源の循環利用の観点が欠落している。持続的社会を目指すには、二次的自然を資源・エネルギーとして循環利用する技術と社会の仕組みづくりが不可欠である。
先進国において持続的社会が実現するための重要な鍵は二つあると思う。一つは、細分化された農業・工業・商業を地域単位で複合化する産業共生の考え方が成立しうるかどうかである。また一つは、意識の大変革によって、環境倫理を重視したライフスタイルが、高度消費型の先進国に定着するかどうかである。
一つないし二つのことを深く学び、その関連分野にも視野を広げていくという「T字」型の思考が必要だと感じています。
二次的自然、里山、薪炭林、萌芽更新、春植物、生物多様性、燃料革命、大規模開発、環境保護、バイオマス利用、循環型社会