3 二次的自然としての田園自然
3−1 二次林のサイクル
武蔵野の雑木林は人間が手を加えることでサイクルしていた。
このように自然が若返る萌芽更新が行われており、半自然生態系が保たれていた。
3−2 雑木林の減少
1960年代から日本では薪や炭を使わなくなり、また農業用の肥料も科学肥料に変わったため、次第に雑木林の管理がされなくなった。その結果遷移が進み、雑木林がシラカシの常緑林に変化しつつある。
3−3 春植物の危機
春先の雑木林に咲くカタクリなどの草花を春植物と言う。春植物は、温度が高くなってから、雑木林の木々が葉を出すまでの約二週間の間に太陽を満喫し、花を咲かせる。しかし、雑木林がなくなりシラカシの常緑林になってしまうと、春植物には日光が当たらない。今、春植物は絶滅の危機に瀕している。これらの植物は人間がいる前はどうしていたかというと、氷河期で寒かったため、常緑林まで遷移しなかったから生き残ってこれた。一度人間が手を加えた自然は、人間を必要としているのだ。
3−4 二極分化する日本の自然
現在の日本の自然は、量こそ減ってはいないものの、質の面では大きく悪化している。人間の管理不充分によって野生に戻りつつある自然と、完全に人のペットと化した都市の自然。この二極分化が日本の自然の問題点である。
4 二次自然を基調とする循環型社会の形成
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