ベトナム・スタディーツアーを終えて

2009年2月19日から3月2日の約2週間、私たち「環境三四郎」のメンバー10名は、「循環型社会形成に向けてのハノイ市3Rイニシアティブ活性化支援プロジェクト(以下、3Rプロジェクト)」および、青年海外協力隊の方々(教育支援5名、保健医療1名)を訪問させて頂きました。

今回訪問は、10期の桐生朋文が企画者となり、私たちが独自に企画したスタディーツアーでした。16期の大学1年生から、13期の大学4年生まで幅広いメンバーが参加。国際協力の現場で活躍するたくさんの人々にお話を伺いました。【文責 10期・桐生朋文】

関連リンク

→JICA地球ひろば それぞれのドラマ−学生サークルによるベトナム・スタディーツアー−
→ベトナムスタディツアー報告書(PDF:1,516KB)

関連ページ

→楽しませることから楽しむことへ 〜10月20日幼稚園訪問〜
→35分×仲良くなりたい楽しみたいという熱い思い=ひまわり笑顔+大切な宝物
→言葉 〜Handicapped Children Village を訪ねて〜
→ニンソン小学校にやってきた。
→幸せなら手をたたこう
→Young talents of Vietnam

パワフルで、才能あふれるベトナムの若者たち。

専門家の方々に3Rプロジェクトの概要を伺う
専門家の方々に3Rプロジェクトの概要を伺う

最初に訪問したのは、ハノイ市を中心に行われている3Rプロジェクトです。ベトナムでは人々の環境意識がまだまだ低く、ごみの分別が出来ていないこと。集められたごみを適切に処理する仕組みも不十分であること。そのため3Rプロジェクトでは、テレビCMを利用したキャンペーンから、生ごみ堆肥化のプラント建設まで、幅広い活動を行っていること等について説明を受けました。

その後、私たちはこのプロジェクトに協力しているベトナムの学生たちと交流する機会に恵まれました。自分達と同年代でありながら、流暢な英語を操り、自信と誇りに満ちた表情で活動を紹介するベトナムの若者たち。別れを惜しむ僕らと対照的に、これから英語のレッスンに行くから!と、手を振った彼女たちの笑顔はとても輝いて見えました。

ハノイの至る所でポイ捨てがされている様子を見ると、まだまだ「循環型社会」への道のりは長いようにも思われますが、英語の上手なベトナムの若者たちが大活躍する日が、早く来て欲しいと強く感じました。

楽しませることから楽しむことへ 〜青年海外協力隊訪問〜

Ninh Son小学校。シャイな子どもも「ハイタッチ」をすれば自然と笑顔に
Ninh Son小学校。シャイな子どもも「ハイタッチ」をすれば自然と笑顔に

続いて、小学校や幼稚園、障害児施設で活動する青年海外協力隊の方々を訪ねました。学校によって規模や設備は異なるものの、新しい遊びをするのが大好きなのはどこの子どもも一緒。日本の歌や遊びを紹介する授業の用意もしていたのですが、気が付けば最後には全校生徒が集まってきて大騒ぎ…。「こんなに生き生きとした子ども達を見たのは久しぶり!」と言って頂いたのは本当に嬉しかったです。授業前の緊張感もどこへやら。肩肘張らずに自分達も楽しむことが、子ども達との距離を縮める一番の方法だと気付かされました。短い時間ではありましたが、こうして「外国人と遊んだ」思い出が、一人でも多くのベトナムの子ども達の心に残って欲しいものです。

暗記中心のカリキュラムが依然根強く、間違うことを「悪いこと」とする風潮の残るベトナム教育界にいて、子ども達の日々の成長を優しく見守る協力隊の方々の姿は、とても輝いて見えました。

おわりに 〜国際協力の現場を訪ねて〜

幼稚園では全園児による大歓迎。こんなに大勢の前で話すのはやはり緊張します…。
10月20日幼稚園では全園児による大歓迎。こんなに大勢の前で話すのはやはり緊張します…。

これまで私たちは、「技術移転」を単純なモノの移動のように考えてきました。しかし今回こうして協力隊の方々を訪れた事で、そこには異なる文化の接触に伴う非常に人間臭いドラマが存在することに気付かされました。環境・教育・医療それぞれの分野で、日本が培ってきた技術や精神を紹介しようと日々泣き笑う日本人がいて、それらの取捨選択に悩むベトナムの人々がいることに気付かされました。世界中で活躍するJICAボランティアの姿が、さらに多くの人たちへと伝えられる事を望みます。

そして今回のツアーが、今も世界の人々のために活躍されている日本人の存在を思い出して、今回ツアーに参加してくれたメンバーの一人でも多くが、「今度は自分が」と何かに本気でチャレンジするきっかけになってくれたのなら、企画者としてこの上ない幸せです。

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