「環境の世紀 未来への布石V」報告書

  

第12回 ディスカッション―エコキャンパス駒場を創ろう

参加者
教養学部環境委員会 高橋 正征教授(総合文化研究科広域科学)

東大生協 和田 常務理事
オーチュ―  松崎 駒場局長
環境三四郎(パネラー:河原 圭、藤崎 理恵)
受講生全員

司会  木戸 大介 ロベルト(環境三四郎) 

 
目次
      序 ディスカッションを始めるにあたって
      1 総論
      2 具体例
      3 まとめ ―それぞれの役割と今後の改善に向けて
  

序 ディスカッションを始めるにあたって
テーマ講義「環境の世紀 未来への布石X」 を締めくくるにあたって目指すこと

 今まで全10回リレー方式で様々な先生方の講義を聞いた。その先生方は、思想・歴史/自然科学/社会科学といった学問分野、もしくは行政やNGOといった実社会で環境問題に取り組んでいる人々だった。

 この一連の講義を通して得た知識・高められた問題意識は、近い将来環境問題に専門的に取り組むか否かに関わらず、一人一人にとって自分を高める糧になったはずである。

 しかし、知識を得て、問題意識を高めるためだけの場では終わらせたくはない。この「環境の世紀 未来への布石」は、もっと大きな可能性を秘めていると私たちは考えている。

 環境問題を改善していくためには、大それた言い方になるが、今ある「世の中」を変えて行かなくてはならない。つまり、最終的には「現状を変えた」という「結果」が求められてくる。今ある世の中を考えたとき、多岐に渡る環境問題への取り組みにもかかわらず、思ったほどの「結果」が出ていないのが現状である。「Think globally,act locally」とよく言われるが、今ある「世の中」を変えていくためには多くの人々が自分の依拠する身近な環境から変えていく必要がある。

 私たち受講生に身近な環境(準拠環境)である駒場キャンパスには、たくさんの問題がある。この駒場という社会を変えていく取り組み、そしてその経験は、単に知識を得るのとは違った意味でとても貴重なものである。「変えた」という「結果」が得やすいからである。

 このディスカッション「エコ・キャンパスKomabaをつくろう!」はごみとリサイクルにスポットライトを当てるが、この場を「駒場を変える」第一歩にしたいと強く願っている。皆さんにもディスカッションの中で、そしてこの場を離れても、駒場をよりよくするにはどうすれば良いのかを考えて実際に取り組んで欲しい。(注:この項では駒場に特異的な事情がある程度含まれている。その点についてはご了承願いたい。そのうえで参考にしていただければ幸いである)

  
1 総論
1.1  ごみとリサイクルと環境問題

 このディスカッションではごみとリサイクルに限定して議論される。このご みとリサイクルの環境問題における位置付けは、これまでの講義(6/19の環境三四郎による調査発表7/3の田中優氏による講義)から以下のようにいえる。

 「ごみとリサイクル」の問題は「大量採取→大量生産→大量消費→大量廃棄」社会の中から、不可避的に生じる。だからこそ、「ごみとリサイクル」の問題への根本からの取り組みが、現在の社会を見直すことになるのではないだろうか。

 ここでいう社会に関して、2つのことが指摘できる。

1  大量のモノ(新品資源)が日本(先進国)に入ってくる。
→モノになって消費されるが、すぐにごみとして廃棄される。
→とくに日本は狭くて人口過密なところが多いため、その過密地域(大都市近辺)を中心にごみ問題が生じ、深刻化する。

2  大量のモノを日本(先進国)に輸出している途上国では、国際分業に根差した貿易が一因となって自然環境が破壊される。

1.2  駒場の「ごみとリサイクル」の現状

「第9回 事例研究 駒場のごみとリサイクル〜紙について」を参照されたい。より詳細な資料として『駒場のゴミとリサイクル』(環境三四郎)報告書がある。

1.3  各主体の紹介

T 環境委員会(委員長:高橋教授より)

 環境委員会の説明
― 構成員
― 委員長を含めて任期は1年
― 引き継ぎの欠点(環境委員会が1年目なのにも関わらず委員長にもなりうる/特に時間をかけて引き継ぎが行われたわけではなく、主に書類を引き継いだにとどまる)
― 委員会は2〜3箇月に1回程度の集まり。

 これまでの活動

・ ごみ関連
(1) 屋外ごみ箱を3年前に撤去した。
(2)構内清掃を年に2回行っている。

・  学生への連絡
(1)新入生に対して4月のオリエンテーション(学部ガイダンス)にて15分程度、ごみ分別の種類に関して等説明している。
  (2)掲示板に通知などを貼りだす。

・  その他   
自転車駐車の改善に向けて、目黒区と協力して駐輪場の整備を行った。

 個人の取り組みの必要性
・  構成員として学生・教官らができる限り取り組んでいく必要がある。
・ 役割分担が特に重要(学生:構成員の圧倒的多数/教官:学生に呼びかけたり研究したり/環境サークルの取り組み)

 キャンパスに関するビジョンの重要性

ビジョンを踏まえた取り組みを進めて行くべき
 →ビジョンを練る際に様々な主体が会する必要が在る(様々な視点のくみ上げのため)
 →今回のディスカッションの意義を一つ見い出すことができる

 質疑応答  なし

U オーチュー(駒場所長:松崎氏より)

 業務に関して
建物内および屋外の清掃/ごみ袋の回収/守衛/その他 を行っている

 問題点
人の少なさ/業務の多さ(清掃担当の建物多い)/業務の辛さ 
  →満足いくまでは業務を遂行できない(手が回らない)
学生の協力の欠如(例:1号館で食べたまま弁当箱やカンをそこに置いて行く/貼りビラを貼りっぱなし)

 質疑応答は、松崎氏の業務の関係上時間がないとのことで割愛。

V 生協(常務理事:和田氏より)

 生協の環境関連の取り組みの紹介

・ 商品(エコ・グッズ)
   環境に配慮した商品に関して説明
・ 生協内での環境配慮 
   (1)使用する紙を再生紙化している。
   (2)生活環境プロジェクトを設置しており、その場で様々に議論している。
・ リサイクルの推進  
   (1) カン・ビンのリサイクルは(学部ではなく)生協が行っている。
   (2) 弁当容器にはリサイクル可能な発泡スチロール容器を利用しており、回収箱を弁当売り場と生協食堂1階下膳口の2ヵ所に設置している。→きれいにされ、回収箱に入れられたものはリサイクルされる。
   (3) PETボトルは今後リサイクルしていきたいとの意向。
・ その他       
   コピー機の紙には再生紙を使用

 質疑応答

 Q: 弁当容器のリサイクル率向上へ向けて(駒場の現状は2,3%)どのような取り組みをするつもりがあるか。
 A: 広報等を充実したいが、いずれにせよ最終的には購入者の協力(洗ってきれいにする・回収箱にもっていく)が必要不可欠である。ちなみに駒場では購入者のほとんどが学生である。

1.4 クイズ

Q1 ビニール袋は可燃か不燃か
Answer不燃ごみ(石油からできているが、発熱時のカロリーが高いので燃やすと炉がいたむ)

Q2 紙に包んだガムは可燃か不燃か
Answer不燃ごみ(紙:可燃、ガム:不燃 不燃とは「燃えない」ものだけでない。「燃やしてはいけない」ものもある。したがって可燃と不燃が混ざったときは不燃とし、焼却という積極的処理を施さない)

  
2 具体例
2.1 Recycle

T 紙リサイクルの必要性について

・ ごみを減らすため。
・木材伐採後の、もしくは伐採のためのユーカリの植林は環境に負荷をかける。もともとの植生を破壊し、さらには単一種で埋め合わせようということでは動物なども含めた生態系が崩れることは間違いない。そこで紙リサイクルは生態系の保護および木材資源の節約につながる。
・ 大量消費の免罪符になるのではないかとの疑問に対しては以下のように言える。リサイクルするにもエネルギーが必要なのでリサイクルするだけで問題が解決されるわけではない。Reduceに取り組んで、その上で発生したものをリサイクルするのがあるべき姿と言える。ゆえにRecycleは、Reduceとともに問題解決のための一つの手段として取り組んでいく必要がある。

U 購入 〜どのような紙を使うべきか

 再生紙のメリットについて

・ リサイクル:古紙の供給が過多で古紙価格が値崩れを起こしている現状においては、古紙利用促進につながる。
・ 価格:再生紙の方が上質紙よりも安い
・ 品質:再生紙も上質紙と遜色ない(保存する際の劣化もさほど変わらない)

 学生会館・学友会からの紙の購入量について

  学友会には再生紙が導入されていない。学友会支給の紙が多く使われているので、早急な導入が必要である。

 1997.4〜1998.3 の紙の購入量(学生会館の再生紙を除く)

 

学友会

   

学生会館

 

種類

枚数

質量

種類

枚数

質量

更紙

上質紙

孔版上質紙

色上質紙

A4上質紙

色画用紙

模造紙

174千枚/年

1630千枚/年

93千枚/年

486千枚/年

76千枚/年

0千枚/年

1500千枚/年

1.044t/年

8.965t/年

0.651t/年

3.402t/年

0.252t/年

0t/年

0.144t/年

更紙

再生紙

55Kg上質紙

70Kg上質紙

色中厚

色特厚

384千枚/年

76千枚/半年

1303千枚/年

320千枚/年

704千枚/年

61千枚/年

2.304t/年

0.456t/年

7.167t/年

2.24t/年

4.928t/年

0.824t/年

 用途

  裏紙や再生紙(特に更紙など)は提出レポートに使えない。教官がいやがるのではないか。
   →高橋先生:教授会などで他の教授などに呼びかけていきたい。

 生協

  生協内部では、白色度80、再生度80の紙を使うようにしている。

U 回収/リサイクル 〜どのようにリサイクルすべきか

 どんな回収・リサイクル方法がよいのか

例:「しけプリプロジェクト」における方法
 古紙の供給過多という現状を踏まえて回収・リサイクル方法を考える必要がある。
   上質紙→再生コピー用紙
   再生紙→トイレットペーパー

 「うれしいトレペ」‥‥ビラなどで回収されたものをトレペにリサイクルしている。回収元が出来上がったものを買うことになる。
 →人によっては不快感を感じる。

 クリーンボックスの利用について

 もともと環境委員会が設置を決定。しっかりとリサイクルに回されているのかを疑問視している人が多い。実際、オーチューの回収する人がクリーンボックスに入れられたビラを可燃ごみに入れていたという発言もある。
 →もっと目立つようにすべきである/リサイクルされていることを広く伝えて不信感を拭い去るべきである。

2.2 Reduce

T 両面コピー普及

 現状について

 生協のコピー機などは、両面コピーができるようになっている。
 しかしながら、ほとんどの人がその機能もしくはやり方を知らない→ほとんど行われていない

 メリット

 紙の使用量削減

 デメリット

 面倒くさい(手間がかかる)/時間がかかる/両面だと見にくい/(経済的メリットなどインセンティブが何もない)

 今後の改善に向けての提案とそれに対する意見

― 両面コピーを利用したらスタンプを押してもらえ、たまったら何らかのメリットがあるようにする。
 →生協:システム面での工夫が必要なのですぐに行うことは難しい。また、価格は生協で統一的に決まっているので駒場だけ変えるのは難しい。
― 教官が配るものを全て両面コピーにすることはできないか。
 →高橋教授:広く教官・事務室に呼びかけていきたい。(ただ、言うまでもなく強制することはできない)

  
3 まとめ ―それぞれの役割と今後の改善に向けて
3.1 環境委員会

★ 環境委員会もこれからはより一層活発化していきたい。
★  環境三四郎その他学生達と協力していきたい。
★  環境委員会として両面コピーそのほかに関して教官達に強く働きかけていきたい。

3.2 生協

★  学生(組合員)の意見を多いに取り入れていきたい。
★  両面コピーに関しても改善方法を模索していきたい。
★ 学生、環境三四郎らと協力していきたい。
★ 学生達にリサイクル商品に関して等、更に広報していきたい。

3.3 学生 〜行動指針

 この最終回のディスカッションでは、学生が駒場という社会の環境を変えていくためにできることは何か、ということが1つの大きなテーマである。そのために、「行動指針」を採択することで、今後の行動を改善していく足がかりにしようということになった。以下にそれを示そう。

T 序

 駒場キャンパスは私たち学生にとって欠かすことのできない重要な場であり、これを改善していくことは当然の責務である。しかし現在駒場キャンパスの環境は他の社会と比較して決して良いとはいえず、その要因の一つが、構成主体の中で最も数の多いわたしたち学生の行動であると考えられている。逆に考えると、私たち学生が自分達に行動をより環境負荷の低いものへと変換すれば、駒場の環境を改善することが可能である。

 ただし、この場合の学生とは、学生全体、すなわち7700人を指す。この講義の受講者200人が行動したとしてもその200人のみで終わってしまい、残りの7500人が動かなければ駒場を変えることはできない。それでは7700人全員を動かすにはどうしたらいいか。

 まず200人が行動することである。

 1人が確信を持って行動し続けることで、周囲の友人を巻き込むことができる。1人が5人を巻きこんだとすると、200人が1000人になる。1000人が行動すれば駒場の雰囲気は大きく変わり、さらに1000人が5000人になることも期待できる。

 すなわち、駒場キャンパスの環境の改善は、私たち1人1人の行動選択に大きく依存しているといえる。よって、その選択の基準となるべく行動指針を作成する。

U 行動指針Part1〜個人として行動すること〜

駒場を改善するために、一個人としてどう行動すべきかを考える。

★  紙について

大学が教育機関である以上、ある程度の紙の消費はやむを得ない。が、現状を見ると、まだまだ改善の余地が多く残されている。まず、消費する紙それぞれについて今私たちに可能で、かつ有効な対策を考える。

・コピー用紙(ノート、文献等)
 ≪両面コピーを行なう≫
全て両面コピーにすれば、紙消費量は半減する。現在両面コピーの普及を妨げているのは、主に消費者である学生、教授の意識である。しかし、書籍は無論両面印刷、ノートも両面に書く。プリント類も両面が当たり前である社会への変換は十分可能で、そのためには私たち学生が両面コピーを積極的に利用しなければならない。
 ≪裏紙を利用する≫
全て両面コピーにすれば、裏紙は発生しない。しかし、実際にはミスなどによりある程度の発生はやむを得ない。また、現状では多量に発生している。裏紙が存在する場合には、特に印刷面が一枚のみの場合などに使用する。
 ≪リサイクルする≫
使用済みの紙、ミスコピーなどは適切にRecycleに回すために、コピー機横の回収ボックス、クリーンボックスに入れる。これらの紙は、コピー機横についてはトイレットペーパー、クリーンボックスについて板紙(段ボールなど)に再生される。

・シケプリ
 ≪白色度の低い再生紙を購入する≫
 リサイクルの輪を完結させるためには、再生品の購入が不可欠である。できる限り白色度が低く古紙配合率の高い紙を選ぶ。現状では、生協のコピー用紙が最もよい。(生協購買部で購入可能)
 ≪再利用する≫
 自分で使用するだけでなく、半年〜1年間保存しておき、サークルで下の学年等に使用してもらう。
 ≪リサイクルする≫
 捨てる場合には適切にRecycleに回すために、試験中に設置されるシケプリ回収ボックスに入れる。

・ビラ
 ≪リサイクルする≫
 色上質紙でできたビラのみ講義終了後にクリーンボックスに入れる。ただし、Recycleに回すためには量が必要なため、周囲の人に呼び掛け、できる限り教室内すべての色上質紙のビラを回収する。それ以外のビラは可燃ゴミの箱に捨てる。

・ノート、ルーズリーフ
 Recycleの輪を完結させるために、再生紙製品を購入する。生協購買部に価格、デザイン等の異なる再生紙製品が取りそろえてある。

・ さらにできること
 以上のことを行えば、確かに環境負荷は低減するが、十分とはいえない。実際には紙消費そのものについてもっと深く考える必要がある。紙の製造、廃棄に関わる問題点を意識し、コピー、シケプリなどに紙を消費する際、それでも自分にとって必要といえるのかどうか考え、不必要に紙を消費しないようにする。

★ 飲料について

 私たちは、食事の際、スポーツの後などに様々な飲料を消費する。しかし、それらの容器は、消費後すぐにゴミとなってしまう。

 ここでは、これらの様々な飲料容器に対してどう行動すればいいのか考える。

・ 缶・ビン
 ≪缶・ビン用のゴミ箱に捨てる≫
 ただし、きちんとRecycleに回すために中にゴミを入れない。(ゴミが入っている場合は、不燃ゴミ扱いになる)最後まで飲んでから捨てる(飲めなかったら、中身はトイレ等で流す)。以上のことを心掛ける。

・ 発泡スチロールコップ(バーガーショップ)
 売り場横の回収箱にいれる(弁当箱回収箱と同じ)

・ PETボトル
 現状では、学内でRecycleルートは確立されていない。
 学外においても、Recycleするにはかなりのエネルギーが必要となり、また現状ではあまりRecycleは進んでいない。よって可能な限り、買わないようにする。もし買ってしまった場合には、自分で持ち帰り、Recycleに回す。
 コンパ等で多量に使う場合には、Recycleを習慣づける。
 また、Reuseとして、水筒のように中にお茶を詰めてもう1度使う。

・ 紙パック
 表面上、可燃ゴミだが、中には不燃ゴミのものもある。ストローを不燃のところへ捨ててから、中に銀紙が張ってあるかを見る。張ってあったら不燃ゴミ、張っていなかったら可燃ゴミになる。
 注:可燃と不燃を分ける利点
>燃やすことにより、目方を減らすことができる(ゴミ埋め立て地は無限にあるわけではない)
>不燃物の燃焼による高温で、炉を痛めずに済む
>有害物質(ダイオキシン等)を、環境中に放出する量が少なくなる

・ さらにできること
 一概には言えないが、上記4種類で、環境にもっとも良いものは、回収率の多さと分別法の分かりやすさにより、"缶・ビン"だと思われる。分別するのがめんどうな人は、缶・ビンを買い、缶・ビン専用ゴミ箱へ入れるとよい。
 発泡スチロールコップも回収後、再び加工しトレーになっているため、ある意味、缶・瓶よりも環境に良い。
 さらに良い方法は、使い捨て容器を使用しない飲料を積極的に利用することである。例えば、生協のお茶、水飲み場、お茶を持参する、といったことが考えられる。

★ 食事について

 食事は、人間の生活にとって重要な要素の一つである。そのため、大学構内においても様々なオプションが用意されている。そこでそれぞれの方法について対策を示し、検討する。

・ 生協弁当
 生ごみ、割りばしは可燃に、フタは不燃に捨てて、容器は洗って回収箱へ入れ、Recycleする。(容器以外が混じると不燃になってしまう)容器は水で流して洗わなくても、拭き取るだけでもいい。
注:システム的なこと
 弁当容器の回収場所は、生協としては、閉店時(特に休日に)店の中に入れておきたいため、大幅な増設は難しいらしい。分別がさらに悪くなり、増設しても、結局不燃扱いになるという懸念もある。今ある回収箱の分別をきちんとして、なおかつ回収率をよくすることが必要。増設してもきちんと分別されるという信頼を、生協の人に持ってもらえるようにしなければならない。
 弁当容器、缶・瓶のデポジット制も、人件費及び、駒場という社会の中だけでしか通用しない等の理由で、難しいようだ。各々が意識を高めて、回収率を上げていくしかない。

・パン
 袋は間違えずに不燃ゴミ箱に捨てる。

・ 生協以外の弁当
 割りばし、食べ残しは可燃、容器、ビニール袋は不燃、というように分別して捨てる。

・食堂
 食器は洗って何度も使用されるので、排出されるゴミの量は最も少ない。

・さらにできること
 上記4種類で、環境にもっとも良いのは食材以外にゴミがほとんどでない"食堂"だと思われる。なるべく食堂を利用するといい。昼休みは混んでいるのが難点だが、オフピーク利用などして活用しよう。
 また、食堂以外の場所で食べる場合は、使い捨て容器を使用しないよう、手作り弁当の持参が環境にもっとも良いと思われる。

★ 購買について

 生活していくためには、買い物をしなくてはならない。ある程度のごみが出るのは仕方がないかもしれないが、それを減らしていく方法を考える。

・ ビニール袋
 ゴミになることを自覚し、買い物袋持参、もしくはそのまま鞄にいれる等、もらわないようにし、Reduceする。

・ 買い物
 買おうとしているものが、本当に自分に必要なものか考えてから買う。要らないものを買ってもゴミになるだけである。

V 行動指針Part2〜団体の一員として行動すること〜

 純粋な一個人として行動することが可能でも、他の目的により集まった団体の一員としては行動することが難しくなることがある。しかし、突き詰めて考えると、団体の利益、目的と環境負荷の低減とが両立する場合も多い。

 以下では、団体の一員としてどう行動すべきかを考える。

★ サークルの一員として〜ビラを例に

 駒場キャンパス内の各サークルでは、新勧期などに自分のサークルのことを新入生に知ってもらうために、多量のビラを配布する。サークルの存続のためには効果的な宣伝により新規部員を増やすことが不可欠であり、環境問題のためにビラをやめる、ということはほぼ不可能である。
 しかし、同時に、配ることがサークルのメンバーにとってかなりの負担となっていることも事実である。また、配ることが単なる慣例となっており、本当に効果があるかどうか疑問も残る。すべてを廃止する必要はないが、同じ人に何度も同じビラを渡すことが意味あることだろうか。
 また、使用する紙についても、本当に色上質紙が最適なのか、単なる慣例にすぎないのではないか、考えるべきである。目立つから、という理由も、ほぼすべてのサークルのビラが色上質紙である現在、白い再生紙、あるいは更紙を使用するほうがかえって目立つかも知れない。
 日々状況が変化する現在において、慣例によって行うことがサークルのとって最善であるとは限らない。常に何が最善な方法であるのか、話し合う必要がある。
 サークルの一員としては、以上のような問題提起をし、話し合いの場を作ることを提案するべきである。

★ クラスの一員として〜シケプリを例に

 各クラスで配布される「試験対策プリント(シケプリ)」は、駒場特有の互助制度である。この制度については賛否両論あるが、必要としている学生が存在する以上、一個人が廃止することは困難かつ問題である。
 しかし、現状をクラスの利益と両立する方向で環境に良いものへと変換することは可能である。以下に2つの行動指針を示す。
・各シケプリが自分にとって本当に必要なのか考え、必要ない分については前もって知らせ、数を減らしてもらう。
・シケプリに使用する紙を再生紙にするよう印刷する人に言う。
 再生紙のほうが安価なため。クラス費の節約にもつながる上、使用期間が極めて短く、使用者の関心は中身に集中するため、問題ない。

以上、ディスカッションにおいて採択された行動指針を示した。

  
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