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参加者 東大生協 和田 常務理事 オーチュ― 松崎 駒場局長 環境三四郎(パネラー:河原 圭、藤崎 理恵) 受講生全員 司会 木戸 大介 ロベルト(環境三四郎) |
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● 序 ディスカッションを始めるにあたって | |||||||||||||||||||||
● 1 総論 | |||||||||||||||||||||
● 2 具体例 | |||||||||||||||||||||
● 3 まとめ ―それぞれの役割と今後の改善に向けて | |||||||||||||||||||||
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今まで全10回リレー方式で様々な先生方の講義を聞いた。その先生方は、思想・歴史/自然科学/社会科学といった学問分野、もしくは行政やNGOといった実社会で環境問題に取り組んでいる人々だった。 この一連の講義を通して得た知識・高められた問題意識は、近い将来環境問題に専門的に取り組むか否かに関わらず、一人一人にとって自分を高める糧になったはずである。 しかし、知識を得て、問題意識を高めるためだけの場では終わらせたくはない。この「環境の世紀 未来への布石」は、もっと大きな可能性を秘めていると私たちは考えている。 環境問題を改善していくためには、大それた言い方になるが、今ある「世の中」を変えて行かなくてはならない。つまり、最終的には「現状を変えた」という「結果」が求められてくる。今ある世の中を考えたとき、多岐に渡る環境問題への取り組みにもかかわらず、思ったほどの「結果」が出ていないのが現状である。「Think globally,act locally」とよく言われるが、今ある「世の中」を変えていくためには多くの人々が自分の依拠する身近な環境から変えていく必要がある。 私たち受講生に身近な環境(準拠環境)である駒場キャンパスには、たくさんの問題がある。この駒場という社会を変えていく取り組み、そしてその経験は、単に知識を得るのとは違った意味でとても貴重なものである。「変えた」という「結果」が得やすいからである。 このディスカッション「エコ・キャンパスKomabaをつくろう!」はごみとリサイクルにスポットライトを当てるが、この場を「駒場を変える」第一歩にしたいと強く願っている。皆さんにもディスカッションの中で、そしてこの場を離れても、駒場をよりよくするにはどうすれば良いのかを考えて実際に取り組んで欲しい。(注:この項では駒場に特異的な事情がある程度含まれている。その点についてはご了承願いたい。そのうえで参考にしていただければ幸いである) | |||||||||||||||||||||
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1.1 ごみとリサイクルと環境問題
このディスカッションではごみとリサイクルに限定して議論される。このご みとリサイクルの環境問題における位置付けは、これまでの講義(6/19の環境三四郎による調査発表、7/3の田中優氏による講義)から以下のようにいえる。 「ごみとリサイクル」の問題は「大量採取→大量生産→大量消費→大量廃棄」社会の中から、不可避的に生じる。だからこそ、「ごみとリサイクル」の問題への根本からの取り組みが、現在の社会を見直すことになるのではないだろうか。 ここでいう社会に関して、2つのことが指摘できる。 1 大量のモノ(新品資源)が日本(先進国)に入ってくる。
2 大量のモノを日本(先進国)に輸出している途上国では、国際分業に根差した貿易が一因となって自然環境が破壊される。 1.2 駒場の「ごみとリサイクル」の現状 「第9回 事例研究 駒場のごみとリサイクル〜紙について」を参照されたい。より詳細な資料として『駒場のゴミとリサイクル』(環境三四郎)報告書がある。 1.3 各主体の紹介 T 環境委員会(委員長:高橋教授より) 環境委員会の説明
これまでの活動 ・ ごみ関連
・ 学生への連絡
・ その他
個人の取り組みの必要性
キャンパスに関するビジョンの重要性 ビジョンを踏まえた取り組みを進めて行くべき
質疑応答 なし U オーチュー(駒場所長:松崎氏より) 業務に関して
問題点
質疑応答は、松崎氏の業務の関係上時間がないとのことで割愛。 V 生協(常務理事:和田氏より) 生協の環境関連の取り組みの紹介 ・ 商品(エコ・グッズ)
質疑応答 Q: 弁当容器のリサイクル率向上へ向けて(駒場の現状は2,3%)どのような取り組みをするつもりがあるか。
1.4 クイズ
Q1 ビニール袋は可燃か不燃か
Q2 紙に包んだガムは可燃か不燃か
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2.1 Recycle
T 紙リサイクルの必要性について ・ ごみを減らすため。
U 購入 〜どのような紙を使うべきか 再生紙のメリットについて
・ リサイクル:古紙の供給が過多で古紙価格が値崩れを起こしている現状においては、古紙利用促進につながる。
学生会館・学友会からの紙の購入量について 学友会には再生紙が導入されていない。学友会支給の紙が多く使われているので、早急な導入が必要である。 1997.4〜1998.3 の紙の購入量(学生会館の再生紙を除く)
用途 裏紙や再生紙(特に更紙など)は提出レポートに使えない。教官がいやがるのではないか。
生協 生協内部では、白色度80、再生度80の紙を使うようにしている。 U 回収/リサイクル 〜どのようにリサイクルすべきか どんな回収・リサイクル方法がよいのか 例:「しけプリプロジェクト」における方法
「うれしいトレペ」‥‥ビラなどで回収されたものをトレペにリサイクルしている。回収元が出来上がったものを買うことになる。
クリーンボックスの利用について もともと環境委員会が設置を決定。しっかりとリサイクルに回されているのかを疑問視している人が多い。実際、オーチューの回収する人がクリーンボックスに入れられたビラを可燃ごみに入れていたという発言もある。
2.2 Reduce T 両面コピー普及 現状について 生協のコピー機などは、両面コピーができるようになっている。
メリット 紙の使用量削減 デメリット 面倒くさい(手間がかかる)/時間がかかる/両面だと見にくい/(経済的メリットなどインセンティブが何もない) 今後の改善に向けての提案とそれに対する意見 ― 両面コピーを利用したらスタンプを押してもらえ、たまったら何らかのメリットがあるようにする。
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3.1 環境委員会
★ 環境委員会もこれからはより一層活発化していきたい。
3.2 生協
★ 学生(組合員)の意見を多いに取り入れていきたい。
3.3 学生 〜行動指針 この最終回のディスカッションでは、学生が駒場という社会の環境を変えていくためにできることは何か、ということが1つの大きなテーマである。そのために、「行動指針」を採択することで、今後の行動を改善していく足がかりにしようということになった。以下にそれを示そう。 T 序 駒場キャンパスは私たち学生にとって欠かすことのできない重要な場であり、これを改善していくことは当然の責務である。しかし現在駒場キャンパスの環境は他の社会と比較して決して良いとはいえず、その要因の一つが、構成主体の中で最も数の多いわたしたち学生の行動であると考えられている。逆に考えると、私たち学生が自分達に行動をより環境負荷の低いものへと変換すれば、駒場の環境を改善することが可能である。 ただし、この場合の学生とは、学生全体、すなわち7700人を指す。この講義の受講者200人が行動したとしてもその200人のみで終わってしまい、残りの7500人が動かなければ駒場を変えることはできない。それでは7700人全員を動かすにはどうしたらいいか。 まず200人が行動することである。 1人が確信を持って行動し続けることで、周囲の友人を巻き込むことができる。1人が5人を巻きこんだとすると、200人が1000人になる。1000人が行動すれば駒場の雰囲気は大きく変わり、さらに1000人が5000人になることも期待できる。 すなわち、駒場キャンパスの環境の改善は、私たち1人1人の行動選択に大きく依存しているといえる。よって、その選択の基準となるべく行動指針を作成する。 U 行動指針Part1〜個人として行動すること〜 駒場を改善するために、一個人としてどう行動すべきかを考える。 ★ 紙について 大学が教育機関である以上、ある程度の紙の消費はやむを得ない。が、現状を見ると、まだまだ改善の余地が多く残されている。まず、消費する紙それぞれについて今私たちに可能で、かつ有効な対策を考える。 ・コピー用紙(ノート、文献等)
・シケプリ
・ビラ
・ノート、ルーズリーフ
・ さらにできること
★ 飲料について 私たちは、食事の際、スポーツの後などに様々な飲料を消費する。しかし、それらの容器は、消費後すぐにゴミとなってしまう。 ここでは、これらの様々な飲料容器に対してどう行動すればいいのか考える。 ・ 缶・ビン
・ 発泡スチロールコップ(バーガーショップ)
・ PETボトル
・ 紙パック
・ さらにできること
★ 食事について 食事は、人間の生活にとって重要な要素の一つである。そのため、大学構内においても様々なオプションが用意されている。そこでそれぞれの方法について対策を示し、検討する。 ・ 生協弁当
・パン
・ 生協以外の弁当
・食堂
・さらにできること
★ 購買について 生活していくためには、買い物をしなくてはならない。ある程度のごみが出るのは仕方がないかもしれないが、それを減らしていく方法を考える。 ・ ビニール袋
・ 買い物
V 行動指針Part2〜団体の一員として行動すること〜 純粋な一個人として行動することが可能でも、他の目的により集まった団体の一員としては行動することが難しくなることがある。しかし、突き詰めて考えると、団体の利益、目的と環境負荷の低減とが両立する場合も多い。 以下では、団体の一員としてどう行動すべきかを考える。 ★ サークルの一員として〜ビラを例に 駒場キャンパス内の各サークルでは、新勧期などに自分のサークルのことを新入生に知ってもらうために、多量のビラを配布する。サークルの存続のためには効果的な宣伝により新規部員を増やすことが不可欠であり、環境問題のためにビラをやめる、ということはほぼ不可能である。
★ クラスの一員として〜シケプリを例に 各クラスで配布される「試験対策プリント(シケプリ)」は、駒場特有の互助制度である。この制度については賛否両論あるが、必要としている学生が存在する以上、一個人が廃止することは困難かつ問題である。
以上、ディスカッションにおいて採択された行動指針を示した。 |
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