環境を構成する要素は実に多様である。環境を保全しようとする目的も多様である。このような多様性は、しばしば環境を理解する上で障害となるだけでなく、ややもすると、過度に単純化した非論理的な思考や主張が正当化される原因となっている。そのような例を挙げると、完全ゼロエミッション、エコ電線、など多数あるだろう。このような問題に対応するには、「何が正しい考え方か」を議論する以前に、環境を理解するための最小限のスキルを持っていることが必要不可欠である。
本講義では、そのスキルとは何か、そのためには、どのような学問を身につけ、どのような情報を持つ必要があるか、といった問題について議論をする。さらに、リサイクルという身近な問題を例に挙げて、どのような道筋で考えるべきかを議論してみたい。