同上
今回の講義では、日本の環境政策の変遷、環境政策の諸手法、今後の展望などについてお話ししたいと思っています。特に、環境問題の様相の広がりに応じて、どのように環境政策を展開させて行くべきかという点について、考えたいと思います。
「持続可能な社会」を構築するためには、通常の社会経済活動に伴う環境負荷が集積して発生する「構造的」な環境問題が発生しないような社会制度を形成することが不可欠です。現行の社会制度には、特に、環境負荷を「発生させる者」にその量に応じた負担が十分に課されていないという点で、欠陥があります。社会制度を変えていくためには、そのきっかけとなるもの(引き金)と政策内容の合理性の双方が必要ですが、構造的な環境問題が発生しないように現行制度を変えていくことは決して不可能なことではありません。
なんとかなる
今の制度は、まだ、環境問題に十分対応しているとは言えません。政策とは、社会の制度を変えていくことです。この意味で、環境の分野は、特に、政策論を必要としている分野といえるでしょう。環境政策論に関心を持ち、具体的な政策提言・政策形成の場で活躍する方がひとりでも増えることを期待します。