所属:
東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻
講義タイトル:
事例研究(駒場の環境)
講義内容要旨
環境三四郎が実施した駒場キャンパス調査を通して、リサイクル社会の困難さ、方
向性を検討する。調査では、清掃・回収に当られている方々のインタビューと実体験
を通して、びん・缶・紙類の分別の実態をレポートし、駒場の学生・教官の環境マナ
ーを評価する。分別回収により生ずる再生原料の供給は、再生製品の消費を高めるこ
とによりはじめて需要とバランスし、リサイクルは完結する。生協でリサイクル製品
の販売動向を追ことにより、キャンパス内のリサイクル行動と消費行動の関係性を調
査する。可能ならば、リサイクル社会を支える各主体における困難と可能性をレポー
トする。
参考文献
植田和弘、「廃棄物とリサイクルの経済学」、有斐閣
廃棄物学会編、「ごみ読本」、中央法規出版
環境問題について
クジラやマグロの科学者会議に参加し、立場による利害の対立を目のあたりにし、
また善意の運動がしばしば経済的弱者に対する大きな暴力となることを感じました。
元来資源の評価と管理の手法を研究していたのですが、資源の管理も漁家の生活の方
向性をも押さえ大きな枠組みで考えて行く必要があると考え、沿岸漁家経営調査を行
った経緯があります。93年に駒場に移り、キャンパスでの環境への関心の高まりを感
慨深く受け止めるとともに、若き力が環境問題を真剣に検討するときには、関連する
各主体の抱える困難さをきちっと押さえ、グローバルな視野から問題に接近する厚み
を持ってほしいと切に願っています。
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