3.青梅鹿の食害
・目的 ・実地記録
<青梅林研の方からの説明>
<鹿の食害ではげた斜面>
<金網をかけられた樹木>
<鹿避け用ペンキ塗り>
・資料 ・リンク
地図(右上のサテライトで衛星画像)
目的:
環境について考えるにあたって、われわれ人間と他の生物との「共生」は大切な概念である。しかし、現実には共に利益を与え合うような良好な関係を維持することは難しい。
今企画は、シカの食害をめぐる問題を通じて、「共生」の難しさを再認識するとともに、今後の展望を開いてゆくことが目的である。
実地記録:
おはようございます!新歓企画なのに一年生は二人だけでびっくり。ではでははりきって行きましょう。
<青梅林研の方からの説明>
電車とバスを乗り継いで一時間ちょっと、青梅林道に到着しました。まずは林業研究会の方にシカの食害についてお話をうかがいます。「青梅食害まっぷ」を貰います。色によってその地区の被害の度合いがわかるすぐれもの。シカの食害は年々拡大しており、昨今の暖冬(温暖化?)でシカが死なずに増加していることや、人間の開発による生息地の減少などによる食料の慢性的不足が原因のようです。そりではその実態調査に出発しましょうか…。
お母さん、私生まれて初めてトラックの荷台にのりました。となりのトトロの冒頭の引っ越しシーンを思い出します。風が気持ちいいのです。ドナドナドーナ♪
<鹿の食害ではげた斜面>
幸せ気分で進むうちに、なにやら土丸見せのはげた斜面が…!と思ったらトラック停止。ここはシカの食害が顕著なところで、丸はげになってしまったのは木が全て齧られてしまったからだそうです。葉っぱが無くなっちゃ成長できませんものね…。土もすっかり乾いてしまって弱々しいです。地震がきたら見る見る崩れてしまいそう。一方で、シカが入り込めないように柵で囲われているところも。シカはそれなりにジャンプ力があるので高めの柵が必要だそうですが、ここは斜面でシカも跳びにくいよ、ということで高さは1メートル程度でした。こちらはちょっぽり草が生えてますね。でも実際に囲い込み方式を採用するとなると、一山まるごと囲わないといけないわけで、相当の人件費&資材費がかかりそうです。第一根本的な解決にならないと思われます。シカが別の場所に移って食害がさらに拡大してしまうかも。
ここからはずっと歩きです。受験戦争帰還兵で体がなまっている一年生には結構ハード。
なんだか痛々しい木がちらほら。幹が齧られてしまってます。この地域ではスギとヒノキが植林されていますが、柔らかくて美味しいヒノキがまず食べられてしまうそうです。
<金網をかけられた樹木>
幼木のころに齧られると木がまっすぐに育たず、商品として使い物にならなくなってしまうとのこと。しかしさらに痛々しいものを発見。シカ防御のため金網をかけられた木です。か、かわいそう…。シカに齧られなくても成長に悪そうに思えます。
ネット樹木の大群↓
ケモノも通らなさそうな道なき道をGO!GO!GO!新歓にしてはハードすぎるハイキングです。ところどころにシカのフンが落ちてますね。小さくて丸いのがたくさん。シカは自分のトイレの場所を決めているので、フンの落ちている所を数えることでその地域のシカの頭数が解るそうです。フンの数を計測しているらしい板もありましたが、計測して以来全て「50」になってました。ちゃんと測ってますか…?
山頂に到着。景色がよいです。そしてお待ちかねのお弁当タイム!んまい、もぐもぐ。
<鹿避け用ペンキ塗り>
山を下って行く途中、すごくきれいな植林地帯を発見!手入れがいいので、木の根元まで日の光が注しています!おや?木の幹が黄色くなってますね。あ、シカ避けペンキ塗り技だそうです。塗った木は今のところ齧られていないとのこと。シカが見慣れたらまた齧るんじゃ?他の生き物に害はないのかな?黄色以外の色だとどうなの?などなど気になりました。それでも、お金をかけずに自分でオリジナルの対策を講じるってすごいと思います。実際に林業に携わっていないと思いつかないであろう、目からうろこの対策術でした。
お疲れさまでした、バス停に戻ってきました。シカの食害被害と、それに対し林業関係者がどのように対策をとっているかが解って、よい企画だったと思います。林業って本当にスケールの大きい仕事ですね。植えた木が商品として売れるようになるまでに30年、50年とかかるわけですから。その木をシカに齧られてはたまらないだろうなあと思います。けれどシカが増えたのも結局人間の責任、という面が大きいですからね…。
駆除はおそらく短期的には一番確実な方法でしょうが、増えては殺す、増えては殺す、のいたちごっこになりそうです。
@.東京都の鹿食害の実態(by奥多摩森林事務所)
・H16年度の都内の鹿頭数は2000頭(本来は500頭前後)フンの確認による
・東京都森林事務所が奥多摩町に食害対策の資金の1/2を補助
これとは別に猟友会も支援(援助はしているが丸投げ状態とも言える)
・現在食害は危機的状況にあり、駆除以外の方法はない。他県との連携も必要
A.駆除の問題点
コスト 死体処理 鉛弾(※) 倫理的
(※鉛弾を使うことで土壌に鉛の成分が流出してしまう。)