環境問題におけるトレードオフ
経済と環境というものがトレードオフの関係にあったりするかもしれませんけど、それは経済というものをどのように捉えるかによって異なってきます。
例:森林の生態系の保全と経済活動
林業ということを考えるとかなり矛盾します。ただ、これは短期的に見た場合で、長期的に見れば実は矛盾しません。短期的に利益をあげようとすれば大きな木を伐ることになり、保全とは相反します。しかし、長期的に考えて50年後も100年後も木を伐れるようにしていけば生物多様性の保全とは矛盾しません。また、自然を保全しながら新しい形の観光・サービス業によって地域が潤うこともあります。タイムスケールをどのくらい先まで見るか、固い頭で考えていた範囲をどのくらい柔軟な頭で広げていくかによってトレードオフに見える現象を乗り越えていくことはあり得ます。乗り越えるために努力していかないと環境問題は難しいです。
保全生態学とは
生態学の分野の1つです。健全な生態系の持続や生物多様性の保全を社会的に決定していくために生態学として必要な研究を担っていくものです。生態学でこういう分野が意識され始めてまだ10年も経っていませんが、最近若い研究者が増えてきています。生態学の分野では大事な分野だと認識が広がっています。他の自然科学と何が違うかというと、机上の学問ばかりをしていてもしょうがないので様々なところで実践的なことをサポートするような研究を行うという点です。専門を深めるだけでなく広い理解が必要になります。タコ壺的な学問でなく、色んな人とコミュニケーションしながら自分の学問を社会に位置付けていくことができる学問であると言えます。
質疑応答
|