氏名
鷲谷 いづみ (わしたに いづみ)
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所属
東京大学農学生命科学研究科
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講義内容のイントロダクション
私たちに多様な自然の恵みを与えてくれる「健全な生態系」。今までのような価値観にもとづいて経済的な発展を追求しても果たしてその健全さは今後も維持されるのだろうか。そんな不安が世界中に広がる中、「生物多様性」は、持続可能性を追求するためになくてはならないキーワードとなった。「生物多様性」というキーワードで日本で守るべきもの、取り戻すべきものは何なのだろうか。策定されたばかりの「生物多様性国家戦略」を参照しながら考えてみる。
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参考文献
『生態系を蘇らせる』鷲谷いづみ(NHK出版)
「新・生物多様性国家戦略」環境省編(環境省のウエッブページで参照)
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講義までに考えてきてほしいこと
「身近な生き物」というとき、あなたが思い浮かべるのは何でしょうか? そこから広がっていくイメージはどんなものでしょうか?
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今研究していること、取り組んでいること
サクラソウ、アサザなど、絶滅危惧植物の生態(遺伝子から生態系までの多様なテーマ)
河原への外来牧草の侵入とその影響(対策の実践的な検討も含む)
ウエットランドや水辺の植生帯の自然再生(土壌シードバンクの動態から協働における保全学習のプログラムなど多様なテーマ)
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趣味
執筆(エッセイなど)、オペラ鑑賞
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今興味を持っていること
今後の日本の農業のあり方(興味というよりは深い危機感)
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影響を受けた本、おすすめの本、感動した本
学生時代に影響を受けた本はやはり何といってもSilent Spring
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先生にとって環境問題とは何か
一生取り組むべき課題?
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官・民・業のこれからを踏まえて学生にできること、また、学生に求めること
環境の現状はとても厳しいものだが、諦めず、深く広く学び、解決に向けたさまざまな取り組みに積極的・順応的にかかわって欲しい。国家公務員をめざす人は、ぜひ環境省自然環境局に入ってがんばってもらいたい(『ほんまもん』の松岡君のように)。他の省庁に入省する人もまわりに「生物多様性」への理解を広げる役割をしてもらいたい。NPOやNGOの活動にも積極的に参加を。
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