駒場卒業旅行は上海へ。そんな企画がすでに半年以上前から始まっていた。3年生になり本郷進学者が多くなると、三四郎では駒場での中心的な活動から一応「卒業」をする。3月10日から3泊4日。12期の思い出作りと、新たな出発としての海外旅行だった。【文責12期 越智真奈美】 総勢18名の大所帯普段はプロジェクトごとに活動する三四郎。同期でもこんなに集まることは滅多にないのだ。10日出発の一同より先に中国入りしていた2人とホテルで合流し、その後はレストランに入るにも必ず2つの円卓に分かれ、さらに注文方法が把握できずにいると店員も大勢集まってくる。そして中国語選択者に全てが任されることに…。 移動、集合となると一苦労の人数だったが、幸い旅行会社のガイド、何靖(かせい)さんが、流暢な日本語と見事な統率力で私達12期を上海ツアーへ案内してくれた。彼女のお土産売り込み力のお陰で、素敵な茶器を購入し(てしまっ)た人も…? 上海の顔 アレコレ天候に恵まれなかった2日目だが、2時間のバスで郊外の蘇州へ。移動中ウトウトしていたら、いつの間にか上海のビル街とはうって変わった雰囲気の町に。斜塔が聳える虎丘、寒山・拾得が住んだといわれる寒山寺、四大庭園の一つである留園などを次々に回る。太湖石と言われる、丸みとえぐられたような面を持つ岩、霧雨がかるしだれ柳が立ち並ぶ川辺など、中国叙事詩を思わせるような風景が続いていた。 そんな風流もお腹が空いては吹っ飛んでしまう。見たことのない魚介など、豊富な素材を甘く味付けした蘇州料理 や 、蟹を始め、あらゆる地方からの食材満載の上海料理(高級な上海ガニには会えなかったけど)。先に中国入りしていた二人が美味しい中華料理店を予約してくれ、読めない中華メニューを皆で興味津々で注文する。おもてなし精神のため、食べ残しを「出させる」つもりだといわれる中華料理の量・種類ではあったが、私達はいつも見事に平らげていた。ご馳走様! 一方自由行動の時間は、思い思いに上海を散策。新天地で欧米人に人気のバーで語り明かす人もいれば、「?森(ローソン)」やスーパー、キヨスクでおもしろ雑貨やお菓子を探す人。こだわりの上海水族館へ足を伸ばし、カブトガニに感動する人 あれば 、やっぱり上海マッサージで日頃の疲れを取りたい人あり。バンドという租界時代の洋館の名残をライトアップで眺める人あれば、路地裏に回って、人糞を捨てる上海人の生活を垣間見る人あり。楽しみ方は様々。それ以上に、上海の顔も様々。 謝謝 ありがとう上海雑技団に息を呑んだ最終日の夜だが、この旅行の締めくくりはなんと言っても。 この1年間、三四郎を引っ張ってくれた代表・小川君と副代表・佐野君に、12期一同より感謝のメッセージを込め、アルバムが渡された。沢山の経験とつながりがこの三四郎12期で実現できたのも、彼らの存在あってこそ。三四郎メンバーとこの時間を共有できたことが、私にとってはこれからも大きな励みになるだろうと改めて思う。 駒場の思い出とそれぞれの後期課程進学後を語りつつ、パンダの不気味マスコットに笑いが絶えない上海の夜なのだった。 |