このコーナーでは、三四郎メンバーが個人的に参加していたり、三四郎と何かと縁があるような団体を取り上げ、簡単に紹介していく。 まず、今回は本郷キャンパス周辺におけるまちづくり活動について、中心メンバーである藤崎理恵さん(5期:工学系研究科修士2年)への取材をもとに紹介する。(記者:木曽貴彦) 設立の経緯本郷地区でのまちづくり活動は、1999 年の夏頃からはじまった。きっかけは三四郎メンバーでもある藤崎さんと杉山昌広さん(5期、MIT 留学中)が「東大農学部前通り商睦会」という商店会のメンバーと早稲田大学周辺でのまちづくり活動を通して知り合ったことであった。東大周辺でも同様に、特に環境対策をひとつのきっかけとして商店街活性化、地域活性化を図りたいということで杉山さん、藤崎さんと商睦会のメンバーは勉強会などを通じて交流を深めていった。 活動の広がりこうした活動の中で、関心を持つ人々あるいは地域の範囲も広がっていった。2000 年には東大関係者(学生・教官有志)や地域住民などからなり、メーリングリストを基盤として意見交換などを行う「東大・本郷まちづくりネットワーク」が杉山さん、藤崎さんの主導で立ち上げられ、一方、東大農学部前や正門前などの地域住民も独自に「本郷まちづくり協議会」を発足させ、まちづくりの取り組みが活発化した。 ネットワークや協議会の活動は、当初の中心課題だった「環境」以外にも及ぶようになり、本郷キャンパスで開催される学会の支援を地域が行うことで大学と地域の連携強化を図る「学会プロジェクト」や学生が商店主などにパソコンを教える「PC 教室」、あるいは「エコマネー勉強会」などの取り組みが実際に行われてきた。 問題点や現在の取り組みもちろん、課題や苦労も数多く存在する。例えば、学生と地域住民の間あるいは地域間、住民間での意識や目的・目標の相違は根強く、各関係者が一致団結してという状態にはなかなかなることができない。また、当初の目標だった「環境」からテーマが乖離した時期もあり、それに対して不満を持つ人も多かった。 現在は、再び「環境」を中心に据えたかたちで活動が行われている。具体的には、農学部前地区において「生ごみのリサイクル」を地域ぐるみで行うという取り組みが実際に動き出すところである。 終わりに----- メッセージ-----最後に、藤崎さんは自分にとってのこのまちづくり活動の意義を次のようにまとめてくれた。「ある地域にしろ組織にしろ、その構成員がそれを自主的によくしていこうという姿勢が大切だと思う。「環境」というキーワードはそのための大きなきっかけとなりうる可能性を持っている。この活動はこうした過程の一種の実験の場であると思っている。 |