ⅱ．源流資源の活用
源流資源の活用
小菅村では、間伐材、生ゴミ、汚泥等有機系廃棄物から堆肥を製造し、地域資源を再利用することで、低迷している林業経営と農業の振興を図っています。
小菅村では、平成14年12月から国の補助を受け林業廃棄物処理施設を建設し、村内からでる生ゴミと間伐材から堆肥を製造しています。堆肥は、間伐材（北都留森林組合が収集）からつくられます。オガ粉と集められた生ゴミに米ぬか（JAから購入）と発酵菌を加え、混合堆肥化装置によりやく80日間熟成して製造しています。
製造された堆肥（108t／年）はJAに出荷し村内の農家に販売されるほか、村の物産館を利用し、村内外の一般消費者にも販売しています。また、堆肥を製造する過程で阻害物質除去装置を使用することで、ヒノキオイル・エキス水（100?／年）が回収でき、この副産物に着目し、「ヒノキエッセンシャルオイル」と「ひのきリフレッシュウォーター」を開発し、村物産館で販売しています。
林業廃棄物処理施設
利用されていない間伐材（針葉樹）を村内から発生する生ごみと混合し、堆肥を生産する施設が建設されました。この施設は「オガ粉製造装置」「阻害物質除去装置」「混合堆肥化装置」の３装置からなり、この内「阻害物質除去装置」はスギ・ヒノキ等針葉樹をオガ粉に利用する際、特にヒノキに多く含まれている植物生育阻害物質（縮合性タンニン、フェノール酸類）を除去する装置で、阻害物質が除去されたスギ・ヒノキ等針葉樹オガ粉は、キノコ類栽培菌床や酪農敷料をはじめ木質系有機物の原料として、広葉樹オガ粉と同等の利用を図ることができます。また、処理過程で副産物として空気清浄フィルターへの適用や防虫剤など薬剤、芳香剤原料として注目を集めているヒノキのオイル・エキス水が回収できます。
木質系資源循環システム
１．間伐材からオガ粉を製造し、キノコ栽培の菌床等村内の産業に使用した後、廃オガ粉として回収する。
２．菌床以外にも村内で発生する有機系汚泥などの水分調整や消臭材として使用する。
３．最終的には堆肥化施設で生ごみなどと複合処理をし、堆肥（土壌改良材）を製造する
４．それを村内の農地に還元し、地力の回復を図る。
システムの流れ
文明さんの話（パネルディスカッションより引用）
…「源流の資源の活用ということで、林業廃棄物処理施設をつくりました。去年から実際に動きはじめていますけれども、間伐材の切れっ端をオガ粉に変えて村内でできる生ゴミを全部回収いたしまして、今までは上野原にお金を出して処分していただいていたのを村で回収して、オガ粉と一緒に混ぜて土壌改良剤をつくってそして『畑の素』という名前で今は売りはじめています。ところが困ったことに、ヒノキの場合は成育を抑える成分があるということで蒸留しなくてはいかんということで、蒸留したら今度はヒノキのエキスという非常に素敵な液がとれまして、それが芳香剤だとかひのき風呂だとかそういうのに活用できるということで、何とかそういうオガ粉の生ｺﾞﾐでつくった土壌改良剤だとかそういうものを都市の公園に運んで、都市の公園がやはりやせていきますから、そういうところに使っていただいて、源流の資源を皆さんが使っていただければ、源流に戻ってそして源流が元気になるんですよ、そういう源流でできる資源、活用できる資源を何とか生み出したいということで、源流資源の活用ということに取り組んでいきます」…
<引用>
鴻池組 林業廃棄物処理施設（リンク切れ）
関東農政局 「林業廃棄物と生ごみをリサイクル」（山梨県・小菅村）（リンク切れ）
〃 「林業廃棄物と生ごみからたい肥製造」（山梨県・小菅村）（リンク切れ）
平成16年 やまなし水フォーラム パネルディスカッション記録（リンク切れ）