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福代 康夫


氏名

福代 康夫 (ふくよ やすお)

所属

東京大学アジア生物資源環境研究センター

講義内容のイントロダクション

 人間の活動に伴い自然環境が変化する。たとえば、産業育成、養殖漁業の展開、マングローブ林の養殖池等への転換利用など、沿岸域における人間活動が活発になれば、排水・廃棄物に由来する栄養塩が多くなり、水域の富栄養化をもたらす。また、タンカー等大型貨物船のバラスト水移動や、養殖海産物の移植に伴い生物広域化が起こる。その結果、海洋生態系にさまざまな変化が見られる。特に、海洋のプランクトンなど微小生物は世代時間が短いため、環境変化に敏感に反応し、その結果このような海洋の基礎生産を担う生物に起こる変化が順次高次生物に波及する。
 人間活動に伴う海洋生態系変化は地球規模の問題であり、先進国の一部では対策を立てることができるが、東南アジアなどの発展途上国においては、すでに問題が起こっているにも拘わらず有効な対策がたてられていない。本講義では、有害有毒プランクトンを例として、人間活動による海洋生態系の変化と、その変化がもたらす社会生活への影響について説明する。


参考文献

1.『水圏の富栄養化と水産増養殖』日本水産学会編(恒星社厚生閣水産学
  シリーズ1、1973)
2.『赤潮』日本水産学会編(恒星社厚生閣水産学シリーズ34、1979)
3.『有毒プランクトン』日本水産学会編(恒星社厚生閣水産学シリーズ42、1982)
4.『貝毒プランクトン』福代康夫編(恒星社厚生閣水産学シリーズ56、1985)
5.『赤潮の科学』岡市友利編(恒星社厚生閣、1997)
6.『海と地球環境』日本海洋学会編(東京大学出版会、1991)
7. 月刊海洋376号「有毒微細藻類」(海洋出版、2001)


講義までに考えてきてほしいこと

 海洋で起こっている現象、たとえば赤潮やエルニーニョ、海洋汚染、あるいは捕鯨漁業、海洋資源減少問題など、どのような話題でもいいので、その現象だけでなく、原因と結果、社会や自然界への影響など少し視野を広げて考えてみてください。なぜ起こるのか?避けられるのか?避けられなければ対策は立てられるのか?などです。


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