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生源寺 眞一


氏名

生源寺 眞一 (しょうげんじ しんいち)

所属

東京大学大学院農学生命科学研究科

講義内容のイントロダクション

 世界の食糧需給の見通しには世界銀行などによる楽観論とレスター・ブラウンに代表される悲観論があるが、両者の依拠する前提条件の隔たりは意外に小さい。楽観論と悲観論の双方ともにポイントだとみるのは農業の技術進歩であり、環境制約の強まりである。一方、楽観論・悲観論がいずれも明示的に考慮していない要素として、極端に偏った所得分配の改善による食糧需要の増加がある。環境保全といい、貧困の克服といい、人類にとって望ましい状態に近づく努力が実を結ぶとき、それは食糧需要の逼迫の度合いをいっそう強める作用を持つ。私達は大きなディレンマのなかに生きている。


参考文献

『人口と食糧』東京大学農学部編(朝倉書店)【特に生源寺眞一・藤田幸一執筆部分】
『農政大改革』生源寺眞一(家の光協会)
『英国のカントリーサイド:幻想と現実』ハワード・ニュービー、生源寺眞一監訳(楽游書房)


講義までに考えてきてほしいこと

 40%に低下した日本の食糧自給率について


人生において大きな影響を与えた書物

 廣松渉「上向法の方法論的地平」(『マルクス主義の理路』所収)
 梅棹忠夫『文明の生態史観』
 理Tの学生だった私に人文社会科学的思考のおもしろさを教えてくれたふたつの作品。このほか研究者としての人生で食や農の意味を考え直す契機となったものとして、
 山崎正和『柔らかい個人主義の誕生』
 藤沢周平の小説と随筆


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