大地震は地下で地震波が発生する自然現象で、その結果地上に社会現象としての大震災が発生する。このような問題に対しては、自然に対するアプローチと社会に対するアプローチの二つが考えられる。これと同じように、現在問題になっている環境問題は、自然そのものの問題というよりも社会的な問題ではないだろうか。自然になかで自然と関わっておこなわれる人間活動の矛盾が人間社会に大きなインパクトをもたらすくらいに拡大してしまったものが、環境問題なのではないか。
このような問題の解決に科学ジャーナリズムはどのような貢献ができるのだろうか。科学ジャーナリズムは科学の成果をわかりやすく伝えるだけでよいのだろうか。科学ジャーナリズムの現状を簡単にレビューした上で、環境問題の本質に迫るための道筋を考える。