物事一般に当てはまるのかも知れませんが、環境問題を考えるに際して「温かい心と冷静な判断力」が肝要であるといつも学生に言っています。環境問題は、フィーバーに乗って感情的にワイワイ騒ぐといった単純なものでもなく、反対に冷徹な合理的思考で決定的な解決策を導けるような性質のものでもありません。それは広範な学問分野にわたる研究を基礎とし、人々の価値観と社会的な合意によって賢明な選択をしてゆかねばならない複雑な問題です。テーマ講義の受講を通して、各自が自分なりの環境観を形成する一助にしていただければと思います。