環境の世紀IX  [HOME] > [メールマガジン・バックナンバー] > 第10号

○●○環境の世紀IX 〜警鐘の時代から実践の時代へ〜 ○●○  
                         メールマガジン 第10号  

    【今週は海について考えます!】                      2002.6.26  
                            < http://www.sanshiro.ne.jp/e-century/ >  
                          問い合わせ先は本メールの末尾に記載されています . 

――今回の目次―――――――――――――  
・先週の講義(6.21) 復習 
・先週のゼミ(6.21) 内容 
・今週の講義(6.28) 予告   
・今週のゼミ(6.28) 予告 
・訂正です。  
・掲示板の紹介  
――――――――――――――――――――  

■■先週の講義(6.21) 復習■■  

住明正先生(東京大学気候システム研究センター)  
「地球温暖化の真実」  

・地球温暖化の政治・国際問題化は、冷戦に取って代わる  
global constraint(地球規模での制約)が求められた 
コンテクストのなかで起こった。  

・温暖化予測は「完全」ではないが、「全くデタラメ」な分けでもない。  
従って、その意義を完全否定するべきではない。最近はモデル改良に  
伴って、気候感度が上がっている。  

・温暖化は、最終的にその被害が差別的に生じる「生臭い」問題と  
なるだろう。貧乏人が困り、金持ちは困らないという意味でだ。  
無差別的な被害が及ぶと認識したとき、人は初めて目の色を変えるのでは  
ないか?  

・人間社会は重層的であり、ひとつの問題に対して一通りの見地からのみ  
追求するのではなく、ありとあらゆる方面から検討すべく、努める必要がある。  

・不安とは、理由のないものである。それを克服する手段は究極的に  
言ってしまうと「覚悟」と「寛容」しかない。 

■■先週のゼミ(6.21) 内容■■ 
「まじめに考える社会の生命力」  
○「社会の生命力」とは何だろう?  
 ・自己実現できること  
 ・外国に負けないこと  

○逆に考えて、これが無いと生命力がないものは?  
 ・持続可能性  
 ・やる気  
 ・指導者の存在  
 ・食べ物  
 ・資源  
 ・他の社会との交流  
 ・政治的・経済的な安定  
   →発展途上国にはない→発展途上国は生命力無いのか?  

○政治的・経済的に不安定でも生命力ある社会は?  
 ・安定とはどのレベルなのか?村のような小さな単位でもシステムが回っていればそれは安定している  
 ・村単位のような小さなレベルでも不安定なら生命力はないのだろうか  
 ・生活に切迫感があると活気があるように感じる  

○日本には生命力があるのか?  
 (ここで全員の意見を聞いたが全員無いような気がするとの答え)  
 ・なぜ無いような気がするのか  
 ・ハングリー精神が無い  
 ・他の社会に依存している  
 ・社会全体が流されているような気がする  
 ・自分がやったことの効果が見えにくい。そうするとモチベーションが下がり、社会全体でも活気が無くなる。  
   例:リサイクル  
    自分が一生懸命分別しても他の人が分別せず捨ててしまうと意味が無くなる  

○物質的な面の話と精神的な面の話を分けて考えてみよう  
 ・物質的な面は大体良さそう  
 ・精神的な面が無いような気がする  
 ・個人個人のレベルで生命力がある人がいても全体で無い  
 ・ある人もいてない人もいて全体で無いのはなぜ?単純に考えてある人が無い人より多いのか  
 ・1つの方向にまとまっていないからでは。自分が良ければ国はいいや、というような。  
 ・1つの方向にまとまるとは言ってもナショナリズムの危険がある。  

○どうすれば生命力ある社会が築けるか?  
 ・世界を広く見ることのできる視野を持つ  
 ・国全体で取り組めるような問題を考える。環境問題など。  
  

■■今週の講義(6.28)予告■■   

<講師>  
福代康夫先生(東京大学アジア生物資源環境研究センター )  

<演題>  
有害プランクトンの広域化と対策  

<序論>  
人間活動に伴い、自然環境が変化する。沿岸域においては、  
人間活動の活発化が排水・廃棄物由来の栄養塩濃度を高め、  
水域の富栄養化をもたらす。また、タンカーなどのバラスト水移動や、  
養殖海産物の移植により、海洋生態系にさまざまな変化が生じる。  
特にプランクトンなどの微小な生物は一世代の期間が短いため、  
環境変化に敏感に反応する。そして、その変化が順次高次生物に波及する。  

海洋生態系の変化は地球規模の問題であり、先進国の一部では対策を  
立てられるが、東南アジアなどの発展途上国では、すでに問題が生じていても  
有効な対策を立てられない。  

本講義では、有害プランクトンを例にとり、  
人間活動による海洋生態系の変化と、  
その変化がもたらす社会生活への影響について説明する。  


<講義の前に>  
海洋についてのいかなる話題でもいいので、その原因と結果、  
社会や自然界への影響など少し視野を広げて考えてみてください。  
(赤潮、エルニーニョ、捕鯨、海洋資源の枯渇 etc.)  
なぜ、起こるのか?避けられるのか?  
避けられなければ対策は立てられるのか?  

__________________________________________________  

詳しい紹介は:  
http://www.sanshiro.ne.jp/e-century/frame.htm?../activity/02/k01/professor/6_28.htm  

■■今週のゼミ(6.28) 予告■■  

第9回福代先生の講義終了後のゼミナールでは、  
「海洋環境学の基礎(仮)」と題しまして、  
講義で説明された社会生活との関わりといった観点から  
ちょっとはなれまして、純粋に「海洋というシステム」  
や「プランクトンの生態」などについて先生にお話していただきます。  
海洋について勉強する機会はそう多くはないと思いますので、  
興味のある方は、理文を問わず、ご参加ください。  

■■訂正です。■■  

5月31日講義していただいた林衛先生の講義内容に、一部修正をお知らせします。  
「クローン人間誕生か」の新聞検証にて、  
「朝日・読売新聞は事実自体への懐疑が表立っては言及・紹介されていない」と  
報告しましたが、  
その後の読み直しで、読売新聞には10日に解説記事が載せてありました。  

■■掲示板の紹介■■  

テーマ講義受講中の皆さんをはじめ、ありとあらゆる人が  
広く環境問題について意見を交わせる場として、  
環境三四郎のホームページ内に掲示板をご用意させていただいております。  
ぜひ、ご活用ください。  

URL:  
http://www.sanshiro.ne.jp/bbs/frame.htm?c-board/c-board.cgi?id=e_century  


____________________次号予告  

次回発行は、7月3日(水)を予定しています。  

内容は  
  ☆第9回(6.28)講義の復習  
 ☆第9回(6.28)ゼミの内容  
  ☆第10回(7.5)講義の予告  
 ☆掲示板上の議論抜粋  
です。おたのしみに!  

____________________インフォメーション  

【編集・発行】      環境三四郎  
〜環境三四郎は、本講義の企画・運営に協力しているサークルです〜  
【環境の世紀】      http://www.sanshiro.ne.jp/e-century/  
【メールマガジンバックナンバーはこちら】     
http://www.sanshiro.ne.jp/e-century/frame.htm?../activity/02/k01/info/backnumber.htm  

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