1はじめに
 2割り箸の現状
 3割り箸の問題点
 4問題点を解決するには
 5林業との関係・結論
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割り箸から見た環境問題
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1999年環境の世紀VIの講義中での、春調査「割り箸から見た環境問題」発表文です。
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はじめに

 みなさん、こんにちは。ただいま紹介を頂きました 環境三四郎です。 私たち環境三四郎は、このテーマ講義の運営協力、春にはリサイクル市、駒場祭での環境対策の協力などおこなっている、 学生環境サークルです。春のリサイクル市はご存知の方も多いのではないでしょうか。 今回は、担当教官の丸山先生のご厚意により、私たちが3月より調査を進めてきました割り箸についての調査を、 事例研究として発表させていただきます。




 では、まず、調査の意義について説明させていただきます。 環境問題を扱う時には、必ずと言っていいほど調査が必要とされるのはなぜでしょう。 私たち環境三四郎では、次のように考えています。

 環境問題といえば、酸性雨、オゾンホール、温暖化と いろいろありますが、どれを考えるにしても、まず最初に必要なのは問題意識でしょう。 ある現実にたいして、これってどこか変じゃないかな?と思うことです。

 この問題意識があれば、次はその問題の現状が どうなっているのか、それを知りたくなってきます。それが、本当に問題なのか、それともただそう見えるだけなのか、 他人にもわかるように調べてみなければいけません。そこで、いままで漠然としかわからなかった、 その現実の問題点が見えてきます。

 けれど、まだここでおわりではありません。 ある事実、または行為が問題だと思っても、それにやみくもに反対してもなにもはじまりません。 とかく環境問題は、全地球人が関わっていることが多いので、1人だけではなかなか解決できません。 そこで、皆を巻き込むような対策や代替案を考えなければなりません。もちろん、突然やめろといっても、それは難しいかもしれないけど、 ちょっと変えるくらいだったら、できそうじゃないですか?それを、多くの人に訴えて、あたらしいことを実践していくこと、 そうしたら地球の問題も一つ減りそうではないですか?

 これを今回の私たちの調査で言えば、こんなかんじでしょうか。 「割り箸は本当に環境破壊を引き起こしているのかどうか」。これを知りたいというのが、私たちが割り箸調査を始めた動機です。 外でお弁当を食べれば必ずと言っていいほど、割り箸を使いますよね?一見して木材で作られていて、社会で広く大量消費されている割り箸。 割り箸が環境に良くはないというのは一目見れば明らかですが、しかし一方で、洗って使う箸の製造、使用にも 環境負荷はあるはずですよね。

 こうやって割り箸について調べてみたら、 割り箸論争なんていうのが出てきました。「割り箸は森林を守っている」対「割り箸は森林を破壊している」 という論争です。どっちが本当だろうか、私たちの興味はひきたてられました。 そこで、具体的な情報収集。情報収集といっても、はじめは割り箸について どこが知っているのかがまずわからなかったのですがね。林野庁にいったり、商社や箸の卸組合をたずねたりしました。 そうこうしていると、日本で現在使用されている割り箸の実に90%近くが中国からの輸入であることが発覚。 これは、中国も調べなくてはと、あの素朴な疑問はいつの間にやら 国境をも超えてしまいました。

 しかし次第に情報は重なり始めました。 最初はどこにつながるか分からなかった部品もパズルのようにだんだん汲みあがってきました。 複雑に絡まりあいながらも統一性をもつ割り箸問題の全貌がそのベールを脱いだと言った感じでしょうか。 このような調査の中で私たちが知り得たこと。それを、これから発表するのですが、じつは みなさんに伝えたいのはそれだけではありません。




 毎日の生活で何気なく使い捨ててしまう割り箸が、 実はこれだけ大きな背景を持つこと。みなさんは、洪水などを引き起こしている中国での森林破壊が、 実は自分の弁当箱の上まできているって、いままでに考えたことがありますか? あなたの、となりの友達の、家族の、割り箸を使う、使わないが、何万haの森の運命を左右するものになると気づいたことありますか?

 私たちが割り箸調査を通じて得たこと、それは2つあります。 一つは、環境問題とは遠い世界の話ではなく、一人一人の日常生活の中で起きているということ。「自分一人が使うのやめたって、別に割り箸がなくなるわけない」と 思うかもしれません。けれど、たまたますべての人が「使うのやめようかな」と思ったら、 割り箸は本当になくなってしまうかもしれないですよ。一人の行動だけじゃ変わらないけど、 一人の行動から世界は変わるかもしれないのです。二つ目は、環境問題は「環境に悪い、じゃあやめる」というほど 単純な構図ではないこと。たしかに森林を破壊する中国のやり方で製造した箸は環境に悪いです。 だけど、林業と共生し得る間伐材利用の割り箸も同様に悪いのでしょうか。それに割り箸が環境に悪いとわかっても、割り箸が売れなくなったら、 今まで中国で割り箸を作って生活してきた人たちはどうするのでしょうか。割り箸を作ることってそれ自体じゃ別に悪いことではないですよね。




 環境問題って、京都会議だの、国連だのだけじゃなくて、 じつは身近なところにつながっているんですよ。なにが良いのかを知ることはなかなか難しいですけれども、 あなたがなにか行動した時、それは世界を変えるかもしれません。世界の問題は遠いようでいて、実は あなたの手の届くところにあると思いますよ。




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