2003年12月代々木オリンピックセンターにて行われた国際シンポジウムEcoDesign2003の中で 環境三四郎、AGS-UTSC、武蔵工業大学中原研究室が学生イベントとして 合同でワークショップを主催した。題目は「都市公園の役割 ―環境と犯罪―」。 その模様を流れに沿って紹介する。〔記者:広瀬雄一郎(11期)〕 開会の挨拶、調査結果発表最初実行委員代表の挨拶があった後、主催者の学生たちが 世田谷区の公園について調べた結果を発表した。 世田谷区は犯罪の発生件数が多い区であるが、 公園利用者へのアンケートによると、公園が危険だという意見は少なかったらしい。 発表の中で、公園などの緑地が目立たない場所を作り犯罪を誘発しているのではないか、 という問題提起がなされた。 特別講演日本女子大学教授で犯罪防止論などを研究されている清永賢二先生が都市公園と犯罪に関する講演を行った(言葉遊びではないです)。 内容はだいたい 「公園は憩い、学び、情報交換の場であり、必然的に子供などの弱者が集まる。 犯罪者は当然弱者を狙うが、日本の公園は誰にでもオープンであり犯罪がやりやすい。 上記の目的と安全を両立させるためには、不便さを覚悟の上で、住み分けを行うべきだ。」 といったことであった。セントラルパークには大人が侵入禁止の区域があるという話は驚きだった。 ワークショップ世田谷区の羽根木公園の写真のスライドショーを見た後、 参加者はグループに分かれ、理想の公園をデザインするワークショップへと入った。 僕のグループは、 砧町町会わんわんパトロール隊(犬の散歩の際に腕章をして、不審者などを見かけたら通報する活動を行っている)事務局の方、 大学の先生、都市工学科の大学生の方などが参加していた。 まずは、都市にある公園(以下、都市公園)における活動や都市公園で起こっていることを挙げてカードに書き、 安全or危険という横軸、あるとよいorなくてよいという縦軸を書いた模造紙にそのカードを配置した。 その後、挙がった活動を行うために必要な施設などをカードに書いて、同じ模造紙に配置した。 そしてそれを見て、理想の公園のありかたを考えたわけであるが、 議論する中で、個々が想定している公園の大きさ(規模)に相違が見られた。 やはり公園と一言で言っても様々な公園があるのだと実感した。 公園という身近な存在が様々な問題点や可能性を秘めたものだということに気づかされ、 非常に興味深いテーマだったと思った。 また、実際に公園で活動している人や都市のことを専門としている人の話が聞けたのもよい勉強になった。 発表・講評ぼくのグループは静かで落ち着く癒し系公園ということで発表した。 公園に詳しい方がいたため、ウッドチップの使用など様々な方法を提起できたと思う。 他のグループについては長くなるので割愛する。 そして講評の中で「いい公園にはホームレスなどが集まる」ということを言っていて、 こんな所にもトレード・オフの関係が潜んでいるのだな、と思った。 ぼくは主催者のMLを読んでいたので、開催に辿り着くまでの苦労なども垣間見ていたのだが、 その苦労の甲斐あって(僕にとっては)とても意義深い会となった。 主催者たちへ感謝とねぎらいの気持ちを送りたい。 |