10周年記念合宿

 今年、環境三四郎は設立10周年を迎える。その記念企画の一環として、8月1日〜3日に10周年記念合宿が行われた。0期から11期まで約50人が八王子大学セミナーハウスに集い、三四郎の過去・現在・未来について語り合った。その模様を、一部なりとも紹介したい。〔記者:大部沙絵子(10期)〕


 1日目。今年としてはめずらしく、暑い日だった。A.M.11:00、高尾山口駅に集合した0期〜11期+祐樹くん・咲樹ちゃんが目指すのはもちろん、高尾山ハイキング。標高599mはさして高くはないとは言え、ひごろ鍛えていない者にとっては十分に運動と言える登山である。季節にふさわしく勢いのある緑に囲まれ、息を切らせながらも心地よいひとときを過ごすことができた。

 ケーブルカーであっという間に山を下った後はまっすぐ大学セミナーハウスへ。そこは不思議な建物が点在するせいかかえって自然の勢いを感じる場所で、合宿の妙な高揚感を盛り上げてくれた。「しおり」をもらったり部屋をくじ引きで決めたり、修学旅行っぽさを存分に味わったあとは駒場部門の活動発表。世代を越えた議論や先輩・後輩・同級生のユニークなアイディアに刺激を受け、これから気持ち新たに各プロジェクトを進めていくのが楽しみになった。お風呂や夕食の後は、もちろんお喋りタイム。あちこちでいろんな人たちがいろんなことを語り合っている様子はとても心地よいものだと思った。


 2日目。一夜明けて、前日よりさらに打ち解けた雰囲気の中で、まずはワークショップ「21世紀の予言」が行われた。一世紀前の預言を振り返り、そして2003年の私たちが思い描く未来について大勢で会話を交わすのはとても楽しいものだった。「市民科学研究室」小寺さんとスタッフの方々に感謝!

 午後からの分科会はいずれも先輩方の経験に裏打ちされた考え方・方法論を垣間見ることができる貴重な場であり、「楽しみながらタメになる」誇大広告のようなホントの話を体験して、自分の来し方行く末を見つめ直すことができた。今は見えなくともいつかは見えるようになるかもしれない、そんな期待を抱けたのも先輩方のおかげである。

 そうしてなんだか知的な気分に浸ったところで行われたのが花火。線香花火を見つめる時に少し幼くなる人、大人びる人、皆それぞれだったのが印象に残っている。大量の花火も、大勢ではしゃぎながら遊ぶと随分短い間になくなってしまったが、山下英俊さん(0期:新領域創成科学研究科 助手)のナイアガラに対する貢献を忘れることはないだろう。

 続いて数年の伝統を誇る胆試し。都会から離れていることを実感させる暗闇の中、でこぼこしていて丈の長い草が生えているよくわからない場所でそれは行われた。蚊に3ヶ所刺されたこと、一度地面の窪みに落ちたことを除けば楽しい思い出である。さすがに泣く人はいなくて残念だったが。

 まだまだ夜は長く、前夜にもましてにぎやかな宴会となった。まじめな会話もくだらない会話も二度と聞けないような会話も入り乱れ、お酒も程度をわきまえれば楽しい、といつもながらの感想を抱いた。


 3日目。ついつい寝そびれてしまったのでこの日の朝以降はずっとぼーっとしていたが、いよいよ最終日に企画されてたのは「行く10年、来る10年」。環境三四郎設立から今に至る10年を各期ごとに振り返り、これから先10年の在り方について考えてみよう、というものだ。どの世代も仲が良さそうで、うれしかった。10年の歴史を通して初めて見えてくる環境三四郎の特徴。その世代がその状況で、どんなことを思っていたのか。これからの三四郎に望まれているもの。大事な話が頭の上を飛び交うのでかなり右往左往していたが、おかげさまで前よりは、先の展望を持って進んでいけると思う。

 こうして思い返してみると、本当に得難い経験を与えてくれた合宿だった。準備してくださった先輩方、ありがとうございました。

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