sanshiro.ne.jp設立秘話

環境三四郎の活動は、メーリングリスト(以後「M L 」とする)、ウェブサイト(以後「サイト」とする)、名簿管理システムなどで支えられている面も大きい。しかし、そのようなシステムの管理・運営に関する作業やその内容についてはまだ知られていないことも多い。そこでシステムの管理・運営に携わっている主要なメンバーと、それについて興味を持っているメンバーを交えて座談会を行った。  【記者:向江拓郎(7 期)

 参加メンバー
青山勝治さん(9 期: 教養学部3 年)
神尾正太郎さん(6 期:新領域創成科学研究科修士2 年)
小島悦史さん(7 期: 工学系研究科修士1 年)
野上大介さん(6 期: 総合文化研究科修士1 年)
宮田誠さん(9 期: 工学部3 年)
 ファシリテーター
向江拓郎(7 期:総合文化研究科修士1 年)

ドメイン(注1)の取得について


―まずはじめに「sanshiro.ne.jp」のドメインを取得した時期はいつごろなのでしょうか?

小島「サイトが公開されたのは2001 年の4 月1 日ですね。そのために3 月にはもう使えるようになっていました。」

野上「2000 年の12 月の総会でドメインをとろうという話を持ち出したのはその時期に間に合うようにと思ってのことでした。」

―ドメイン取得の話は野上さんが提案されたとのことですが、それ以前のサイトやML はどのようになっていたのでしょうか?

野上「ドメインを取得する前には基本的に三四郎の上のメンバーの研究室のサーバーを一時的に使わせてもらうという形をとっていました。それで何回かつなげてきたのですが、そのためにはメンバーが卒業するたびにサーバーを移さないといけなくなってしまう。アドレスもころころ変わっちゃう。となると、継続性もないし、利用するメンバーや一般の人にも不便で分かりにくいものになる。そのような面でいつかは正式にドメインを取っておく必要があると思っていました。」

― どのようなドメイン名にするかでも議論がありましたよね?

野上「そうですね、継続して使う名前だけに、三四郎メンバーのいろんな思いがあったのですね。結局、投票で決めることになりましたが。」

ドメイン取得前後のサイト

― ドメインを取得する以前とその後ではその管理体制などが変わったと思うのですが、その辺の話を聞かせてもらえますか?

野上「ドメインを取る以前は基本的に1 人のメンバーが片手間にやるという形でしたね。コンテンツとしては簡単な三四郎の紹介とテーマ講義の講義録、また自己紹介などがありました。」

― 自己紹介には好きな異性のタイプという項目もありましたよね(笑)。

野上「あはは!黒髪のショートカットが好きだと書いていた人もいましたけどね(笑)。そういう面白いコンテンツをつくったのは、三四郎のメンバーに見てもらいたいという意識があったからでした。それでも一時的な興味を引くに過ぎなかった感はありますが。」

― ドメイン取得後のサイトの構築体制はどのようになっていったのでしょうか?

小島「2001 年の4 月1 日にオープンするために僕と藤崎理恵さん(5 期:社会人)で作業をしました。分担としては僕のほうでレイアウトや画像などを作成し、藤崎さんが具体的なページ作りをやってもらいました。そのときに注意したのは、見る人が必要な情報にたどりつけることや三四郎についてよく分かることでした。」

― 広報誌のつながりとも連携できるようにしたんですよね?

小島「つながりの記事をサイトに載せることになるので、ディレクトリ(注2)の構成はつながりの分類(活動紹介、イベントなど)と合わせました。しかし最近はつながりが多様化してきて、その分類では収集が着かなくなってきたので2003 年の1 月に変更しました。」

ウェブサイトの利点

― サイトの作成にはそれ相応の労力がかかっているのですが、そのように作成されたサイトにどのような意義があると思いますか?

小島「今のサイトのターゲットはメンバーではなく一般の人にしています。実際サイトを訪れる人は9 割前後検索サイトで引っかかった人ですね。」

青山「検索で引っかかるのは重要ですよね。三四郎自体に興味がない人でも、個々のコンテンツには興味があって、それをきっかけに三四郎に興味を持ってもらえたりすればいいことですよね!」

― 環境の世紀のサイトはターゲットが受講生ということで、少し絞られてきますよね。

小島「環境の世紀のサイトの場合、アクセス数が多いのは新しい講義録を載せたときやレポートの提出が近くなったときですね。そのようなばらつきがあるのですけど、一般の人が比較的コンスタントにアクセスしてきます。」

― 活動しているメンバーには三四郎サイトはどのように見られているんでしょうか?

宮田「自分が活動をするときに、三四郎の以前の活動を知りたいときが結構あって、そういうときにサイトにある過去の報告書は役に立ちましたね。部室にも資料はあるのですがちゃんと整理されていなくて見つからなかったり、1 人しか見られないということで不便さがあります。そういう面でサイトに報告書があると整理されているし、また複数の人数で共有も出来るので、新しい報告書を作る際にも大変役にたちました。」

小島「検索できる、ということも大きな利点ですよね。」

青山「サイトだと報告書を載せる時点で一回整理されているので、後から見る人にとっては利用しやすいですね。」

ウェブサイトの問題と今後

― 三四郎サイトに今、問題点はありますか?

小島「一番の問題は更新ですね。つまり情報の鮮度です。活動に興味がある人もリアルタイムの活動報告に興味があると思うのですが、実際にはつながりの記事を載せているので半年くらい前の情報になってしまいます。情報の鮮度を重要視するのならば、つながりから記事を移すということから見直さないといけないのかもしれません。」

青山「個人のサイトだとアクセス数を増やしたいから、こまめにコンテンツを増やしたり更新したりするんですけど、三四郎のウェブでもそれが当てはまるかといったらそうでもないですよね。むしろ資料室のような扱いというか、情報をストックしておくことが重要だったりしますし。」

宮田「僕も三四郎サイトの更新の作業を手伝っているんですけど、現在進行形の活動について半年前の活動紹介がサイトに載っているというのは見る人の目が気になりますね。労力との兼ね合いもあると思うのですけど、その辺をどうにかしたいと思っています。」

― ISOP についてはその活動のサイトを三四郎サイトに載せましたよね。

小島「将来そのような要望が出てくることを想定して、個々の活動が自由にページを作れるフォルダを当初から用意しています。ただしあまりメンバーに知られていないのかもしれません。個々の活動でサイトを作成したいということもあるでしょう。多くのメンバーがもっと自由で多様なページを作っていけばいいと思います。」

MLについて

― ML についての管理者の作業というのはどのようなものがあるのですか?

野上「新1 年生の登録は駒場で名簿を集めてもらって、それを神尾君に登録してもらっています。また、今は名簿管理システムでML の登録・解除がそれぞれで行えるのでそれについての手間はかからなくなりました。他には容量をオーバーした人のエラーメッセージを見て、その人に報告をするのが主な作業です。」

― ML の過去ログはサイトでも見れるようになったんですよね?

野上「みられるようにしました。これを使えばMLの検索や、自分が登録していなかったML の過去ログも見られるので便利よ〜( 宣伝:注3 )。でも、利用者は少ないみたいですね。」

― 1,2年生のM L の利用状況はどうですか?

宮田「個々のプロジェクトでメーリングリストを作っていることもあるようですが、そこではk346koma には流しにくい簡単な報告などが流れているようです。あとは携帯メールでも簡単な連絡はしていますね。それ以外は大体k 3 4 6 k o m a に流れていますね。特にML が使いにくいということは 無いですね。」

― M L に関して問題点などありますか?

野上「ML に流れるメールの量が少なくなってきているのが気になりますね。どうもML の敷居が高いみたいですね。以前は流れすぎて困った位なのですが(笑)。k346all が敷居が高いのは仕方ないですが、k346rj などはもっと利用したほうがいいと思います。
 あと少し話は違うのですが、三四郎でも共有フォルダを用意できればいいかな、と思っています。メールに添付されたファイルが自動的に共有されるような。そういうこともサーバーに余裕があればやりたいと思っています。」

名簿管理システムム(Kamion)について

― 最初はどのような経緯で名簿管理システムも作成しようということになったのですか?

神尾「1 9 9 9 年の2 月にはじめの話はありました。メンバーの数が多くなってきて、その住所やメールアドレスの管理の作業が大変になってきたり、またデータが散逸してしまったりしないようにというのが理由だったと思います。
 最初は近藤直人さん(1 期:社会人)が2 月くらいに名簿管理システムの構想をM L に流して、その構築をやる人を募集していたのでそれで僕がやることになりました。」

― どれくらいで作成できたのですか?

神尾「基本的な部分は1ヶ月程度で出来ました。それが1999 年の5 月くらいですね。それで実際にパスワードをメンバーに配ったのは1999 年12 月の総会ですね。」

― その後は名簿管理システムを変更した部分はあるのですか?

神尾「細かいメンテナンスは随時やってました。大きな変更はサイトの公開と合わせて2001 年4 月〜 8 月の間に小島君と協力してデザインを大きく変更しました。その後自己紹介や顔写真などおまけの部分を付け足したりしました。」

― 利用者としてはどのように利用していますか?

宮田「個々のメンバーに個人的にメールを送りたいときとかにメールアドレスを確認したりしますね。あとML の登録状況についてもときどき確認します。自己紹介も見たりするんですが、なかなか更新されていなかったりしますね。」

小島「住所も見たいという要望もあるみたいです。年賀状とかを書く際に。」

神尾「その辺はメンバーの要望に対応できます。」

― あと問題点などはありますか?

神尾「名簿管理システムを改善したいと思ったときにつくった本人しかいじれないというのが問題ですね。なので後継者を探しているんです。あとは名前ですね(笑)。僕はあの名前で名簿管理システムを呼んだことはないんですけど(笑)」

その他全体的なこと

― 今までサイトとML、名簿管理システムという3 つのことについて話してきたのですが、それらを総合して何か強調したいことなどありますでしょうか?

野上「このようなシステムは、活動の可能性を広げるための手段として用意してきました。だから、ぜひ活用して欲しいですし、「こうして欲しい」ということがあれば気軽に言って欲しいと思います。提案ではなく批判でもかまいませんから(笑)。その技術的な課題を解決することも、僕は楽しんでやっていますし。」

小島「それが誰にでも使いやすいかどうかはつくった本人にはよく分からないのが難しいですね。例えばサイトだと、本人は情報がどのリンクをたどればあるか知っているし、ボタンを押した時のシステム内部の処理も知ってますからね。でも、初めて使う人は知らない。そこで迷わないように設計することがサイトには求められるのですが、やはり利用者からの使いやすさのフィードバックが一番役立ちます。だから文句をいってもらえることが大事ですね。」

宮田「このようなシステムに支えられて三四郎の活動が成り立っています。しかしその内容まで知らなくても活動できてしまうということがあると思います。しかしそれでは、システムについて「ここはこうしたほうが良くなるのでは?」という意見はなかなかでてこない。ステムについて関心を持って意見を言うことがシステムの改善につながる。そしてそれは活動の改善にもつながるのではないか、と思いました。」

神尾「名簿管理システムについても、実際に触ってもらって、有効につかってもらい、そして意見をもらえるようになるとよいですね。」

この座談会をきっかけに多くのメンバーがこのようなシステム面にも興味を持ってもらえると幸いです。今日はどうもありがとうございました!

編注

注1ドメイン:インターネットに接続しているコンピュータには、IP アドレス(例:111.11.111.11)というものが割り当てられこれがコンピュータの住所にあたる。しかし数字の羅列であるIP アドレスは人間にとって扱いにくいためアルファベットと数字(と一部の記号)を使うことができるドメイ ン名(例:www.sanshiro.ne.jp)を別名として運用するようになった。ドメインさえ取得していればサイトのサーバーが移転しても利用者はそのことを気にせずウェブを閲覧することが出来る。

注2ディレクトリ:ファイルを階層構造で管理するための概念のこと。ディレクトリは複数作成することができ、ディレクトリの中に別のディレクトリを作成することでファイルを階層化して管理することができる。フォルダとほぼ同じ意味。

注3:http://www.garmy.jp/k346/ml/ にアクセス。ユーザー名は"sanshiro"、パスワードは共通のもの

参考(2003.2 現在)

sanshiro.ne.jp データ
アクセス数:
 全ページビュー:約1000 〜 1500 ページ/ 日
ファイル数: 
HTML: 約600(11MB)
PDF: 約20(5MB)
画像:約1500(6MB)

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