環境三四郎では、1997年以来、駒場キャンパスの学園祭「駒場祭」の環境対策「ECO Project」に協力してきました(注)。環境三四郎の広報誌「つながり」の2001年夏号では「エコプロ座談会」を開き、開始から4年間経過したECO Projectの歴史を振り返るとともに、現在の課題、今後の展望などに関して、各年中心的にかかわってきたメンバーで意見交換をしました。
四郎四郎!先週、東京大学の学園祭「駒場祭」に行ってきたんだよー。
ほんと?実は僕も行ってきたよ。すごい人がきてたね。
うん。お昼には歩けないぐらいの人だったね!いろんな店も出てたし。
そうだね。あれだけ大勢の人がいろいろ飲んだり食べたりして、いっぱいごみも出ていたと思うけど、駒場祭で出たごみに対してどういうことがされていると思う?
あっ、そういえば…。どうなってるんだろう?
僕は駒場祭に行く前に、環境三四郎の広報誌「つながり」のなかにある「エコプロ座談会」ってのを読んでいったんだ。
エコプロ?何、それ?
エコプロっていうのは駒場祭における環境対策のことで、正式には「ECO Project」っていうらしいよ。駒場祭が環境に与える悪影響を減らすために、ごみの適正処理を中心に、いろんな対策を考えているんだって。ちょっと驚いたのが、エコプロが始まったのは実は1997年の駒場祭からだってこと。それまではきちんと分別がされてなかったんだって。
97年っていうと4年前!学園祭のごみ対策が始まったのがそんなに最近だったなんて!
僕は学園祭ででるごみの量っていうのはすごく多いだろうから、だいぶん前から対策が行われているものかと思っていたんだ。
うーん、そうか。今年の駒場祭ではお客さんのためのごみ箱も種類に分けて入れるようになっていて、僕もちゃんと分けて入れたよ。第4回の「ダイオキシン」の話を聞いてからちゃんと分別しないといけないと思ったから。でも、今では結構あたりまえだよね。分別って。
駒場祭では、4年前までそれがあたりまえではなかったんだね。エコプロでは、「あたりまえ」にするためにろいろ工夫をしたそうだよ。
たとえばどんな?
最初はもれなくごみの分別をチェックするためのシステムづくりに力を入れたみたい。結局、ごみの集積場を一箇所つくって、そこへごみを持ってきた人がチェックを受けてダメなら再分別をするという仕組みにしたんだ。そのことをごみを出すお店の人とかに協力してもらうために、広報をどういうふうにやったらいいのかも問題だったみたい。1年目は再分別しなくちゃならないことを知らない人が多くて、説明も大変だったらしいんだ。それが何年も続けているうちにこの制度もだいぶん浸透してきたんだね。
へー。システム作りって大変なんだなー。
大変だけどやっぱりすごくやりがいがあるらしいよ。新しいシステムを作ることって。
2年目からはお皿を洗って使いまわしたり、リサイクルできる使い捨て発泡スチロール容器をお店に使ってもらって回収したりと、ごみを分別するだけじゃなく、ごみを出さないようにしたり、リサイクルできるものを使うようにして、環境への影響を減らそうということが行われてきたんだ。
そうなんだ。たった2年で分別の徹底だけじゃなくていろいろなことをしようとしたんだね。
でも、今いったような新しい取り組みをするにはいろいろ反対されたらしいよ。
何で?いいことだからどんどんやればいいじゃん。
それが学園祭全体のことを考えると、何でもできるというわけではないらしいんだ。 環境への影響を減らすということももちろん大事なんだけど、学園祭の実行委員会である「駒場祭委員会」は、お客さんが楽しめるとか、お店が自由に、そして平等な条件でものを売ることができるということもいっしょに実現させないといけないんだよ。 もちろん、必要性が認められればよくって、いまではかなり対策も進んできたんだ。
そうか。お客さんやお店の人に分別を手伝ってもらうためには、納得のいくの説明をしなくちゃいけないだろうからね。
「環境という価値の相対化」っていうのかな。そういうのは学園祭の環境対策だけじゃなくて、ほかの問題でもあることだよね。
いろいろな苦労を重ねてきた環境対策のおかげで、今年の駒場祭のごみもちゃんと処理されているんだなあ。俺もエコプロ座談会読んでみるよ。