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田中佑
昨夏の8月3日から9日にかけて、大韓民国の中央に位置するテグ市で、第4回日韓環境ギャザリングが開催された。日本全国の環境サークル・NGOをネットワークする「エコ・リーグ」と、韓国テグ市周辺で活動する環境サークルの連合体であるグリーンネットワークが共催する学生交流会である。目的は、(1)日韓の学生が両国の環境問題の現状を知り意見を交換すること、(2)サークル・NGOの活動のベスト・プラクティスを共有すること、(3)環境問題を端緒にした両国の学生の多面的・継続的な交流を図ることである。ギャザリングの参加者は計39名。日本からは、関東圏の大学から10大学22名が集まった。環境三四郎からは、私をはじめ、飯田康喜さん(教養学部理科2類2年)、田中敦子さん(教養学部理科2類2年)、渡辺善敬さん(教養学部文科1類2年)の4名が参加した。 ギャザリングでは「青年環境活動とアジアの未来」をテーマに、「菜食文化」「生態系」「エネルギー」のチームに分かれ3つの視点からフィールドワークとディスカッションを行なった。私は「エネルギー」を選択し、韓国の大学教授との懇談会や現地NGOとの交流、原発の見学などを通して、エネルギーの持続可能性を韓国の青年と一緒に考えた。
現場を見て一緒に考える――第1回から一貫する日韓環境ギャザリングのこの理念こそが、私をして4回連続して参加せしめた魅力であったと思う。同じことを聞いたり、同じものを見たりしても問題意識や対処方法は違ってくる。そこに、他者を理解しようとするきっかけが生まれる。「地に足をつけて考える」「違いを認識する」姿勢は、環境問題を考える上でも不可欠なプロセスだ。
毎晩の文化交流会では、伝統衣装の試着や伝統料理の試食からフォークダンス大会まで楽しく時間を共有した。折しも、歴史教科書問題・首相の靖国神社参拝問題で日中韓関係が揺れていただけに、歴史を巡る議論も大いに盛り上がった。感情的にならず未来志向に話し合うことができたのは、互いが戦争を体験していない世代であったこと以上に、相手に対して寛容であれたからではないかと思う。
第5回ギャザリングは、今年8月に日本で開催される。第5回の日本側代表を務める飯田康喜さんは、「ギャザリングを企画する段階から韓国側と協働して創っていきたい。自分たちの考える『環境問題』範囲や、ギャザリングを通じて実現したいことについて意見を交わす時点から、異文化理解は始まっていると思うから」と話す。国も大学も専攻も違う学生が1つのイベントを創っていく過程で得られることは大きいはずだ。ぜひ、1年生・2年生の皆さんも加わりませんか?
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第4回日韓環境ギャザリングの参加者たち |
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