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東京ボード工業見学記

教養学部1年 竹内文乃

 2000年12月7日、駒場祭ででた木材の回収業者、東京ボード工業(以下TBL)を見学に行った。駒場祭の翌日、回収に来たTBLトラックの運転手さんは木材の積み込みを手伝っていた私と気さくにしゃべってくれた。積んでも積んでも減らない木片相手の作業、不馴れで足とか手にしょっちゅう釘が刺さる。そんな中でのおじさんとの会話は"現場"の強烈な印象として今でも鮮明だ。

 そのおじさんが木材を運んでいった場所は新木場の海沿いにあるTBLの工場。木場といえば、小説に、木場のよそ者は木屑の煙で涙ぐんでいるからすぐ分かるとあるくらい昔は木屑で煙っていたらしいが、TBLの工場は木材の粉砕をやっているのに空気がきれいだ。節電・節水の張り紙も目に付く。それもそのはずでTBLはISOを脅威のスピードで取得している。

 TBLは生木を何工程かで粉砕しそれを接着剤で固めてパーティクルボードを作る工場だ。東京で木材は毎月40万t出ている。TBLはそのうち毎月6000tを処理しているそうだ。原料の生木は家屋の建て替えで出るもの多い。腐ったものや、発ガン性を指摘されている防虫剤を使った木は使えない。78年に家屋に使える防虫剤に規制がかけられたので、その後のものなら確実に大丈夫。製品は一見すると目の細かいコルクのように見える。その使い道は60%が棚や天板としてなどの木工用。30%が防音壁の吸収版としてなどの建設用。オーディオなどに10%ほど使われているそうだ。

 対応してくださった方はかなり幅の広い知識と見識をお持ちで、話はISOのことに行政のことにと弾んだ。工場の工程そのものは素人目にも分かりやすいかった。木材をはじめ大まかにそれから徐々に細かく砕いていく。不純物のうち、鉄は磁石で、それ以外は金属探知機で取り除く。板が反らないように表面部と内部は粗さの違う木材粒子で固められる。

 駒場祭のごみから実際の処理工場の見学へ、つながりの大切さを感じた体験だった


東京ボード工業説明
東京ボード工業の方は丁寧に作業工程を説明してくださいました。







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