@.ビオトープとは
ビオトープとは景観生態学、地域生態学から生まれた学術用語であり、ギリシャ語のビオス(Bio=生き物)とトポス(Topos=場所)を合成したドイツ語である。狭義として「開発事業などによって環境の損なわれた土地や都市の空き地、肯定などに造成された生物の生息・生育環境空間」としても使われたりもするが、その本来の意味は「生物学的な空間不連続性で区切った景観単位」である。しかし、これでは分かりにくいので「生物の生息する空間」とシンプルに言い換えるといい。つまり、生物が生息している場所ならばどこでもビオトープということである。ということはビオトープの広義としては何も自然の豊かな森や川や海だけではなく、道路や建物などの人工物も生物が少しでも生息しているならばビオトープと呼ぶことに注意したい。このことは「原生自然を守ろう」など重要な自然だけに注目するのではなく、私たちの身の回りにも生物が暮らしていることを再認識することが重要であることを主張している。