EMSP

活動紹介

EMSPは、環境マネジメントシステム(以下EMS)や認証・審査の仕組みを調査・勉強し東大駒場キャンパスでのISO14001取得を目指すプロジェクトだ。〔記者:小島悦史(7期)〕

プロジェクトの始まり

このプロジェクトの立ち上げの契機は、佐藤直子さん(10期:文科V類2年)が次のように考えていたことによる。「駒場祭のような一過性の環境にやさしい「イベント」では一時的にハイレベルな取り組みはできるが継続的なものにはなりにくい。それをEMSによって組織やキャンパスが内部で無意識のうちに負荷を軽減していけるものをつくれば、もっと労力も軽減されるし、持続的なものになるに違いない」

これまでの活動

3月に小清水さん【日本品質保証機構(JQA)環境三四郎賛助会員】をお呼びしてISO14001の勉強会を開き、4月以降は11期生とも一緒にプロジェクトを進めてきている。

そのように調査・勉強会をするうちに、エコステージという組織に出会った。エコステージは、国際規格であるISO14001は認証機関が審査・認証を行い取得費が高価であるため中小企業には負担が重いのに対し、EMSの導入支援や階層化されて認証レベルによって、企業規模や予算・目標に応じてISO14001相当以下からそれ以上まで多段階なレベルで認証を行う外部評価制度である。

はじめはISO14001を東大で取得を目標にはじめたのだが、調べていくうちに費用対効果の面で見ると必ずしもその取得にこだわらず、例えばエコステージのように、名前よりも実体を重視したEMSができるように働きかけたいと佐藤さんは考えている。

理想とするEMSは、大学の様々な構成員が自発的に環境負荷を見つけ、常に改善されるサイクルが有効に機能するシステムとのことだ。

EMS構築過程を学ぶ

現在は、すでにISOを取得または取得しようとして いる、武蔵工業大学・信州大学・東京農業大学など他大学の学生にインタビューを計画している。構築されたシステムの情報はWebサイトで公開されることもあるが、構築過程で議論されたであろう大学の将来像や環境への意識については、目に見えてこない。そこで、構築に携わった人にインタビューしたり、他大学の学生との交流を深めて、ノウハウを聞くと同時にネットワークを広げようと考えている。ゆくゆくは環境マネジメントの全国の大学生のネットワークを作ろうという話もあるようだ。

山崎智広さん(10期:文科I類2年)は「国立大学ではISO14001取得しているのはほとんどなく、その意味で東大が学生側から動いて取得することで、他大学への波及効果もあり社会へのメッセージにもなるのではないか。学校としても三四郎としても大きなことをやりたい。だから、ぜひ取得したいと思う。もし取得できなくても調査や企業と話をしたり、大学へアプローチしたりするのは勉強になる。それに、純粋にEMSを勉強してみたかったというのもあった。」という。

他の活動を生かして

ISO14001導入にあたっては、まず環境負荷の現状を知るところから始まるのだが、2002年度の活動である駒場環境調査プロジェクト(KEEP)がISOプロジェクトの大きな財産になっている。昨年の詳細な調査によって廃棄物の量や処理の流れの新しいデータがそろっているのだ。それに加えて「大学や生協など関係者のつながりにはK-net(駒場環境ネットワーク)が活用できる」(桐生朋文さん(10期:理科II類2年))。このように他の活動の成果を生かして、新たな目標を明確に打ち出しているのもこのプロジェクトの特徴と言えるだろう。

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