○●○環境の世紀IX 〜警鐘の時代から実践の時代へ〜 ○●○
メールマガジン 第13号
【石先生の講義直前!!】 2002.7.17
< http://www.sanshiro.ne.jp/e-century/ >
問い合わせ先は本メールの末尾に記載されています
___今回の目次___________
☆第10回〔7/9 染野先生〕の講義復習
☆第10回のゼミ内容
☆第11回〔7/12 廣野先生〕の講義復習
☆第11回のゼミ内容
☆掲示板情報
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■■第10回(7/9)の講義■■
<第10回の講師>
染野 憲治 先生
(環境省 大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部 企画課
循環型社会推進室 室長補佐)
<講義題目>
「循環型社会の形成に向けて」
<講義要旨>
環境省が出している白書には、環境白書と、
去年初めて発行された循環型白書がある。
今回は、循環型白書からの話。
20世紀の豊かさとは、「大量生産、大量消費、大量廃棄」の
一言で表せる。これが悪かったとは必ずしも言えない。
環境と経済は対立しがちだが、必ずしも対立するものではない。
国は今、循環型社会を目指す方針である。
廃棄物問題をどうするかということは、
循環型社会を形成するうえで重要である。
これから、循環基本計画を作っていくところである。
循環型社会とはどういう社会なのか。皆に考えてみてほしい。
循環型白書の中に、「循環型社会の3つのシナリオ」がある。
A:極めて高度な工業化社会。
リサイクルなどの高い技術で問題解決を目指す。
廃棄物の量は減るが、CO2排出量は多い。
B:生活をスローペースにし、自ら修理を行ったり
地域活動にいそしむ、ライフスタイル変革型。
技術開発が進まないため廃棄物の減少は途中で止まるが、
CO2排出量は最も減る。
C:環境効率性を念頭に置き、シンプルなライフスタイルに。
レンタル、リース、IT化など、ものから機能(サービス)へと
脱物質化が進む。
CO2はBほど減らないが、廃棄物は最も減る。
いずれも一長一短ある。あなたはどれを選ぶか?
それとも、新たなシナリオDを作るか?
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詳しい講義録は:
http://www.sanshiro.ne.jp/e-century/frame.htm?../activity/02/k01/schedule/7_09a.htm
環境省のHPは:
http://www.env.go.jp/
循環型社会白書 総説・各論(全文)は:
http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/hakusyo.php3?kid=214
染野先生が製作に携わるWebサイト「Re-Style」は:
http://www.re-style.jp
「循環型社会白書」は、書店で1,600円にて販売されています。
関心を持った人は、是非探してみてください!
■■第10回のゼミ■■
第10回のゼミでは、染野先生を囲んで質問会を行いました。
その後、染野先生からの提案を受けて
・若い人をターゲットにした、循環型社会に向けた普及啓発として
どういうものが考えられるか?
・自分ならこの人がしゃべったら聞く、という有名人は?
というアンケートを実施し、その後結果発表をしました。
終始、笑いの巻き起こる和やかなゼミとなりました。
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詳しい内容は、近日「環境の世紀」HPにアップされる予定です。
どうぞお楽しみに!!
■■第11回(7/12)の講義■■
<第11回の講師>
廣野 喜幸 先生(東京大学大学院 総合文化研究科)
<講義題目>
「環境にかかわる意思決定はいかにあるべきか再考
〜公共空間の創出〜」
<講義要旨>
地球環境問題には、
・原因・被害が不確実・不確定
・国際問題である
・当事者・利害関係者もあいまい
・1つの現象に対しても、何を問題と捉えるかが人によって違う
(フレーミング効果)
よって意思決定が困難を極めるという難しさがある。
実際の意思決定に関わる場面で、いろいろな立場の人が
自らのフレーミングを述べ、フレーミングの差を共有し、
その後フレーミングを共通化していくことが必要である。
しかし現在の日本には、そのような公共空間がないだけでなく
創ろうとする機運すら乏しい。
まず審議会にいろいろな立場の人を呼ぶこと。
特に、実質的な当事者・真の当事者を加えること。
審議会の形骸化をなくし、実質的に審議すること。
そして、審議結果を広く人々に知らせること、が必要である。
これは難題かもしれないが、
皆さんが社会を担うころにはそのような社会になっていてほしい
という希望を持ち続けたい。
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講義録は、近日「環境の世紀」HPにアップされる予定です。
どうぞお楽しみに!!
フレーミングに関しては、以下のHP・本を参照してください。
・2001年度「環境の世紀VIII」 佐藤仁先生の講義
「フレーミングの政治学−何がなぜ問題になるのか?−」講義録:
http://www.sanshiro.ne.jp/reference/frame.htm?e-century.htm
・佐藤仁「「問題」を切り取る視点」
石弘之編 『環境学の技法』 東京大学出版会 41-75頁 (2002)
■■第11回のゼミ■■
今回のゼミでは、まず廣野先生がゼミ参加者が
環境三四郎メンバー(12人)、その他の受講生(12人)に分け、
その他の受講生には2グループに分かれて
「木や動物に、裁判をおこす権利はあるか?」
(「自然の権利」訴訟)
について話し合うよう指示されました。
三四郎メンバーは、別室で
「両グループの話し合いを傍聴し、
発言者がどのようなフレーミングに基づいて発言しているかを
見出す」
という任務を与えられました。
グループ毎の話し合いの後、両グループからの内容発表、
続いて三四郎メンバーから「どのようなフレーミングに基づいた
話し合いがなされていたか」の発表がありました。
その後、ゼミの参加者全体でフリーディスカッションを行い、
9時頃まで議論の白熱する、充実したゼミとなりました。
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詳しい内容は、近日中に「環境の世紀IX」HPにアップします。
お楽しみに!
「自然の権利」訴訟に関しては、
「環境の世紀IX」第2回に出講なさった鬼頭先生が
著書の中で詳述しておられます。
ご参照ください。
『自然保護を問いなおす』 鬼頭秀一 ちくま新書(1996)
■■掲示板情報■■
掲示板には、授業後に皆さんに書いていただいた
感想票から疑問・感想などを抜粋して掲載しています。
先生からのお返事が掲載されることもあるので、要注目!!
また、掲示板は誰でも自由に書きこめるものなので
感想票には書けなかったふと浮かんだ疑問や意見、
掲示板で他の受講生の声に触れて感じたことなど、
お気軽に書きこんでいってください!!
名前を明かすのに抵抗があれば、ハンドルネームや
匿名希望でも全く問題ありません。
URLはこちら! ↓
http://www.sanshiro.ne.jp/bbs/frame.htm?c-board/c-board.cgi?id=e_century
____________________次号予告
次号(最終号)発行は、7月24日(水)を予定しています。
内容は
☆最終回ディスカッションの内容
☆終わりに
です。おたのしみに!
___________________インフォメーション
【編集・発行】 環境三四郎
〜環境三四郎は、本講義の企画・運営に協力しているサークルです〜
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