ⅱ.東京湾岸の干潟
＜東京湾岸の干潟＞
東京湾岸の干潟を時計回りに見ていくと
（神奈川県）横浜市金沢海の公園・野島公園（野島海岸）～
（東京）多摩川河口干潟～東京港野鳥公園～葛西海浜公園～三枚洲
（千葉県）三番瀬～行徳鳥獣保護区～谷津干潟～盤洲干潟～富津干潟
となっている。以下、その紹介。
（※ 干潟＝「海の干満により、満潮時は海、干潮時は陸になるところ」）
＜横浜 海の公園＞
「海の公園は、横浜市内で唯一海水浴場のある公園です。金沢地先埋立事業の一環として整備されたもので、今は自然に見える砂浜も、実は千葉県から運んだ砂で人工的に造られたものです。」（横浜 海の公園ＨＰより）
＜野島海岸＞
横浜で唯一の自然海岸。野島公園の先に広がっている。よく間違えそうになるが、「野鳥」ではなく「野島」である。
＜東京港野鳥公園＞
「昭和40年頃に、開発の波に押されて海岸は埋め立て地へて姿を変えてしまいました。その後、埋め立て地に自然にできた水たまりや原っぱができるようになり、そんな環境を求めて野鳥も数多く集まるようになりました。
その姿を見て、地元住民が自然を守る活動を始めてました。そして1978(昭和53)年に『大井第7ふ頭公園(現在の東京港野鳥公園)』が開園しました。1989(平成元)年には現在の東淡水池、潮入りの池、ネイチャーセンターを含む部分を加えて拡大オープンしました。その時に『大井第7ふ頭公園』から『東京港野鳥公園』に公園名を変更し、現在に至っています」（東京港グリーンボランティアＨＰより）
羽田空港のすぐ近くにも関わらず、多くの野鳥が飛来してきます。
＜三枚洲＞
葛西臨海公園（東京都）とディズニーリゾート（千葉県）の間の浅瀬を指す。350haを埋め立てた。現在は沖合にあり、船でしか近付くことができない。
＜葛西海浜公園＞
三枚洲の一部に人工的に造成された人工なぎさ。砂は、葛西沖と茨城県の鹿島港から20万立法メートル持ってきた。なぎさは２つに分かれていて、西なぎさは人間がレクリエーションに使う場、東は野鳥など自然のために使う場となっている。通常東なぎさには入ることができない。
＜三番瀬（さんばんぜ）＞
千葉県の船橋市・市川市・浦安市・習志野市にまたがる干潟。「東西5700m、南北4000mの範囲に広がっており、水深1m未満の面積は約1200ha。水深5mまでの海域を含めると面積は約1600haに達する。」（Wikipediaより）もともと広大な干潟で漁業が盛んだったが、江戸時代からの埋め立てにより大部分が失われた。昔は、行徳鳥獣保護区や谷津干潟とつながっていたらしい。今も漁業が行われていて、特にノリ・アサリが東京湾の中でも有名である。しかし、埋め立てにより潮の流れがさえぎられ、ヘドロ・青潮などの問題も発生している。
第二東京湾岸道路・・・三番瀬（市川市の部分）を埋め立てて建設する予定だった第二東京湾岸道路は一応白紙撤回されたが、千葉県などは推進の立場であり（実際浦安市にはその予定地らしきものが確保されている）今後何らかの形で建設が図られる可能性は残っている。（Wikipediaより一部抜粋）
三番瀬は場所によってその様子が異なる。
・船橋市では、「ふなばし三番瀬海浜公園」があり、潮干狩りで有名なきれいな干潟が存在する。
・市川市では、老朽化した直立護岸が危険なためほとんどが立入禁止となっている。しかし、ゴミの不法投棄やプレジャーボートの不法係留が多く見られる。
・浦安市では、階段護岸で海に近付くことが可能だが、立入禁止となっている。
＜行徳鳥獣保護区＞
千葉県市川市の市街地の中にポツンと存在する。「千葉県指定の『行徳鳥獣保護区』と宮内庁所轄の『新浜鴨場』を合わせた面積は約83ｈａ。この中では鳥や自然環境の保護が優先され、人の利用は最小限にとどめられています。」（行徳野鳥観察者友の会ＨＰより）観察舎は、野鳥観察だけでなく、野鳥保護にも利用されている。
＜盤洲干潟（ばんずひがた）＞
千葉県木更津市に位置する、1250haの広大な干潟。小櫃川の河口にあたる。昭和40年代まで全国有数のハマグリ生産地だった。
ここは、アシが生えていているため、大きな魚が入ってこれず、たくさんの稚魚、貝、カニが平和に過ごしている。また、これらを求めて多くの野鳥が飛来する。
＜富津干潟＞
千葉県富津市に位置する、200haの干潟。小糸川の河口にあたる。